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2007年12月28日

昭和のロケット屋さん

松浦晋也のL/D:最新刊「昭和のロケット屋さん」発売中によりますと、
戦争に負けた日本は、まだ貧しかった。目標は高く遠かったが、意気軒昂としていた。ペンシルロケットからミューロケットまで、第一線でロケットを作り、打ち上げてきた2人が語る日本宇宙開発草創期。荒っぽくていい加減で、それでも生き生きとしていた熱い日々のおはなし。
だそうです。買わなくちゃ。

 ロケットの開発、というと第二次世界大戦について思いを寄せざるを得ません。ロケットの開発自体も戦争で加速されましたし、ロケット技術者たちの人生も戦争でさまざまに屈折したのではないかと思います。

 フィクションではありますけれど(笑)、松本零士氏の戦場まんがで描かれるロケット技術者たちの無念の思い、というのは想像に余りあるものがあります。戦後、ロケット開発に従事された方々というのは、現実としてそのような人生を送られた人たちというわけですから、そのありようには非常に興味があります。

 それにしても著者に名を連ねる面々。相変わらずの面子だなぁ(笑)。種子島でリフトオフ見物オフ(?)しながら打ち合わせでもしたのでしょうか。

Space Authors Club HomePage参照のこと。

 早速、発注。

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2007年12月10日

佐藤大輔氏の皇国の守護者外伝!

C★N25―C★NOVELS創刊25周年アンソロジー (C・Novels 97-1)になんと佐藤大輔氏の皇国の守護者外伝が載っているのだそうです。
〈イラスト・ギャラリー〉
鈴木理華/沖麻実也/椋本夏夜/木々/椎名優/由貴海里/ひたき/桃川春日子/金田榮路/三好載克/士郎正宗/安田忠幸/佐藤道明/高荷義之/生頼範義/西口司郎/東雲騎人/獅子猿/Wolfina/小林智美/皇なつき/小島文美/深遊/岩崎美奈子/山本ヤマト/伊藤明十/鹿澄ハル/カズアキ/那知上陽子/高里ウズ/吟鳥子/相沢美良/鳥子/凪かすみ/香坂ゆう/柴倉乃杏/田口順子

〈短篇小説〉
荒巻義雄 花嫁 イラスト:森流一郎
誉田哲也 最後の街 イラスト:藤田新策
定金伸治 黒猫非猫(くろねこねこにあらず)――ユーフォリ・テクニカ0.99.1 イラスト:椎名優
横山信義 闇の底の狩人 イラスト:佐竹政夫
太田忠司 予告探偵 カタコンベの謎 イラスト:エヴァーソンともこ
佐藤大輔 猫たちの戦野――皇国の守護者外伝 イラスト:獅子猿
鯨統一郎 ハードボイルドごっこ イラスト:直江まりも
谷 甲州 高射噴進砲隊――覇者の戦塵 イラスト:佐藤道明
森 博嗣 ナイン・ライブス――スカイ・クロラ番外篇 イラスト:西尾鉄也
花田一三六 帰郷――曙光の誓い後日譚 イラスト:金田榮路
三木原慧一 我等が猫たちの最良の年 イラスト:牧野千穂
千葉 暁 砕牙――聖刻群龍伝 イラスト:三好載克
大石英司 神隠し谷の惨劇――サイレント・コア番外篇 イラスト:安田忠幸
多崎礼 夜半を過ぎて――煌夜祭前夜 イラスト:山本ヤマト
九条菜月 エルの遁走曲(フーガ)――オルデンベルク探偵事務所録外伝 イラスト:伊藤明十
篠月美弥 還らざる月、灰緑の月――契火の末裔外伝 イラスト:鹿澄ハル
海原育人 絶対不運装置――ドラゴンキラーありますその後 イラスト:カズアキ
荻原規子 彼女のユニコーン、彼女の猫――西の善き魔女番外篇 イラスト:桃川春日子
井上祐美子 黒白(こくびゃく) イラスト:佐藤美絵
三浦真奈美 あれから3年――翼は碧空を翔けて イラスト:椋本夏夜
駒崎優 市場にて――バンダル・アード=ケナード イラスト:ひたき
宝珠なつめ 猫と三日月――熱砂の星パライソ外伝 イラスト:柴倉乃杏
柏枝真郷 ノッブスの十戒――PARTNER-EX イラスト:高里ウズ
茅田砂胡 がんばれ、ブライスくん!――デルフィニア戦記外伝 イラスト:沖麻実也

〈25周年祝賀コメント〉
西村京太郎/柘植久慶/森村誠一/今野敏/風間賢二

〈コミック〉
飯島祐輔 いつか金だらいな日々――轟拳ヤマト外伝
鈴木理華 スペインイタリア珍道中
桃川春日子 秘密の女王会議 原作:荻原規子『西の善き魔女』
鈴木理華 シンデレラ――クラッシュ・ブレイズ コメディ・バ−ジョン 協力:茅田砂胡
 ふ、ふんとだっ!いったい何年ぶりなんだよ。

8巻くらいまで出ていたような気がしますが、もうみんなブクオフで処分済みだったり(笑)。

 その他の著者には、アレな人も、楽しみな人もいますが、ここまでくると同窓会気分だな。

 買うか。
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2007年11月29日

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか

1010940.JPG 某巨大ソフトメーカーへの出張中にウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶかを読んでいました。なんて命知らずなんでしょう。

 前作になにかしら反感すら感じたのは、おそらく梅田氏自体がこっち側に来てもいないのにも関わらず、それをネタに本を書いたように見えたことが原因だと思います。

 その後湧き起った、「じゃ、モチオはどんなコードを書いたのさ」という議論はその気分をよく表わしていて、なるほどそういうことだったのかと腑に落ちたような気がしました。

 本書では、実は梅田氏自身が持つギークでアルファなエンジニアに対する羨望とまで言ってよいシンパシーが繰り返し語られます。なるほど、そういうわけだったのか、という合点と、なにかこうマーケティング上手な著者のスキルが透けて見えるところもあって、じゃあこっちも上手にだまさされてやろうかとか、そういうひねくれた感情も起こってきたりします。

 前作と違ってIT関係の啓発本、というわけではないのだと思います。道徳というものが、「よりよく生きる方法を考えさせること」だとしたら、この本は非常によくできた道徳の教科書であるといってもいいでしょう。

#一番大切な「青年期」という時代は、『教育される「道徳」』
#というものに一番反発する時期でもあるので、こればかりは
#自分で「発見」するしかないんですが。

 未就業の学生さんにはよくわからないかも知れませんが、今日的なホワイトカラーの仕事には、やることが順番に並んでいて、それを一つずつ片づけていけばいい、ということはあまりないのです。一見、単純に見える事務仕事においてすらも。

 日々、自分で自分をディレクションしてプロデュースできないと、ダメなやつと言われる。そんな時代に、一体何を生きがいとし、何のために働くのか。その問題に対するひとつのモデルが語られた本です。

 高校生(理解できるなら中学生にも)に読んでもらって血をたぎらせてもらいたいと思います。不惑過ぎた私だって、少なからずアドレナリンが沸き立ったくらいですから(笑)

 攻殻機動隊で、利用されるだけされて放置された少年に少佐が言い放った言葉を思い出します。
「ぼくらを外へ解放しに来てくれたんですね!?」
「はぁ??何が望みだ?俗悪メディアに洗脳されながら、種(ギム)をまかずに実(フクシ)を食べることか?興進国を犠牲にして」
「そ、そんな」
「お前にだってゴーストがあるだろ。脳だってついてる。電脳にもアクセスできる。未来を創れ
 士郎正宗的に言うとちょっと違う向きの言葉だったのかもしれませんが、なにか気分的に非常にぴったりくる言葉でした。

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20071124


 
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2007年11月26日

立ち読み者のモラル

立ち読み禁止 長野で一番大手の書店です。

 子どもの本コーナーにこのようなスペースがあり、子供たちは本を持ってきて楽しく読んでいます。

 私はこの「本屋で楽しく読む」ってのが納得できない「本買い人」なのですが、一般的にはどうなのでしょうか。

 もともと立ち読みというのは売る側、買う側の間に存在するグレーな行為。立ち読みで一冊読んでしまうのは、デパ地下の試食をおなかいっぱい食べるようなもので、違法じゃないんだろうけど、それはないんじゃないんですか、お客さん、という行為じゃなかろうかと思うのです。

 実は私も貧乏学生の時期には、「ゲーデル・エッシャー・バッハ」と「フィネガンズ・ウェイク」をまとめて立ち読みで済ましたりとか、そういう無法なこともしましたが、今は本はちゃんと買うようにしています。

 子どもたちはこういうスペースがある以上、当然のように本を出してきてねっ転がって読むのですが、図書館じゃあるまいし、売り物の本をそのように扱うのはどうにも我慢ができません。

 自分の子供は「あそこで本を読んじゃいけない」と言いつけてあるのですが、なかなか遵守は難しいようです。困ったなぁ。

立ち読み禁止 恐るべし、哲学書のコーナーはこのようになっています。

 大人もこんなことに座り込んで一日読んでいたりするのですからびっくりです。

 売り物の本をそのように扱うことが書店の利益にかなうこともあるのかも知れませんが、やっぱりどうにも納得がいきません。

 
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2007年11月16日

出張中に読んだ本:イリーガル・エイリアン&あなたの人生の物語

1010796.JPG 最近はめっきり仕事がらみの本を読むことが増えてしまい、なかなか好きな本も読めません。ハヤカワの青背で分厚いのとか、楽しいのはじっくり読みたいのですが、家ではなかなかそうもいかず、最近ではもっぱら出張中の楽しみとしています。

 今回は、「イリーガル・エイリアン」。

 ソウヤーは「フレームシフト」かなんかをぱらぱらやって、あまり深入りはしなかったのですが、「今日の早川さん」のなかで、ラノベファンの延流ちゃんが早川さんに勧められて読んでいたので、私も再度挑戦。

 普通のファーストコンタクトから始まって、人類とエイリアンの平和な出会いが描かれます。ところがその歓迎の最中に、ある事件が起こって...というところから、急転直下、法廷ミステリーになだれ込みます。最初はホーガンぽくなるかと思ったのに。

 先日見たばかりの「アラバマ物語」のアティカス・フィンチなんかもじゃんじゃん引用されて楽しいです。トレッキーなひと、SFマニアな人は、あちこちにちりばめられたガジェットを探すのも楽しいですね。ちなみにスポックの親父はサレックだ。私も陪審員失格(笑)。Live long and prosper!

 でも、牛タン食いながら読むんじゃなかった(笑)。

1010837.JPG もう一冊、テッドチャンの「あなたの人生の物語 」。名前だけは「トップをねらえ2!」で知っていたんですよ。

 えーっと、白状しますと、私のSF歴は、ガンキャノンのデザインが「パワードスーツ」なるもののパクリである、と雑誌で知り「宇宙の戦士」を読んだところから始まっています。それから30年経っても変わってない。ぜーんぜん変わってない。

 短編集ですが、短編2本半のところで、家についてしまいました。感想はまた後日、ですが今のところ非常に素晴らしいです。

 
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2007年11月11日

難解で読まれない名作が漫画に

「「難解で読まれない名作」 漫画で予約完売」本・アート‐書評ニュース:イザ!によりますと、
不朽の名作といわれながら、難解すぎて“読まれない作品”の代表格とされるフランス人作家、マルセル・プルーストの長編小説『失われた時を求めて』。そのコミック版(白夜書房)が11月20日に発売されるが、初版はすでに予約分だけで完売状態。大胆に要約された文章としゃれたイラスト…。古典新訳ブームに続き、翻訳コミックも古典の新しい読まれ方となるか?(舛田奈津子)

 うひゃー、プルースト。純文読みの岩波さんには鼻で笑われそうですが、飛雄馬のねぇちゃんこと星明子が読んでいた本としか(しかも事あるごとに引用しまくるのである)。

 日本で言えば谷口ジローって感じですか。とっかかりとしてはいいことだと思います。先生方からするとコミック化なんてふざけた話なんでしょうけどね。
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2007年11月08日

小説・秒速5センチメートル

 Other voices -遠い声-で紹介されていますが、秒速5センチメートルの小説版が11月16日にリリースだそうです。

 ダ・ヴィンチでの連載をところどころ読んでいましたが、毎号読んでいるわけではないので、たまたま当たるのがソフトウェアのデスマーチシーンとかでちょっと鬱(笑)。

 まとめて読めるようになるので、これも買っちゃうかな。文章にするとかなりうっとおしい話だとは思うのですが、映画監督が書いた小説、ということで本読みの人の評価がどうなるか楽しみな気がします。

 小説とアニメとは別の才能なのか、物語を紡ぐ力はメディアを超えるのか、その辺りどうなんですか?(って誰に聞いている)。

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2007年10月18日

12番目のペンギン

 雪風が大好きな「黒ねこサンゴロウ」シリーズの作者、竹下文子先生のブログ、閑猫堂に、12番目のペンギンという記事があがっていました。
これはもう20年くらい前のことになりますが、とある海辺の小さな水族館からペンギンが集団脱走する、という事件がありました。
新しく買い入れたばかりのペンギンが、その夜のうちに、おそらくちょっぴり低すぎた囲いを越え、次々と逃げ出して…
気づいた飼育係が懸命にボートを漕いで追いかけましたがペンギンたちは海をまっすぐ南へ向かって泳いでいき、とうとう1羽もつかまえることはできませんでした。
この事件を、わたしは地方紙の記事で読みました。それをどうして今までおぼえているかというと、(無理と知りつつ手漕ぎボートで追いかけた飼育係さんが非常にけなげで印象的だったせいもありますけど)じつはこのとき1羽だけ「逃げ遅れたペンギン」がいたからです。

正確には忘れましたが、買い入れたのが12羽で、そのうち11羽が逃げた、というような話だったと思います。
その12番目のペンギンのことが、いまだに気になるのですよ。
おっとりした性格で、もたもたしてるうちに見つかっちゃった、とか…
逆に、責任感の強いリーダーで、仲間を先に逃がして、とか…
賢い奴で、水族館のほうが暮らしやすいと判断して残った、とか…いずれにせよ、ひとりぼっちでは寂しいだろうな。

 二十年前...

 脱走ペンギン...

 ...ぎくっ

 以前、高知いろいろ | 日々雑感IIで私は書きました。
 桂浜には桂浜水族館があります。昔、友達と夜に桂浜に来ましたら、水族館から脱走したペンギンが浜にうずくまっていたことがあります。確保して水族館に返しましたが、
 「この浜でペンギンをつかまえたことがあるのだ
と言っても、ある人は信用せず、ある人は怒り出したりします。雪風たちは、猛烈に感動していたなぁ。大きくなったら桂浜にペンギンを捕まえに来たいと。
 も、もしかしてこの事件のことなのでしょうか。

 残念ながら、閑猫堂はトラックバックを受け付けていないようなので、竹下先生にメール打ってみようかなぁ。
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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

1010644.JPG 出てすぐに買って読んだのですが、会社の女性陣にお貸ししようとかとオフィスまで持ってきました。

 みなさん毎日盛り上がってるんですよ。酸素水とかコラーゲンとか血液サラサラとか化学調味料とか天然酵母とかマイナスイオンとか911陰謀説とか(笑)。みんなが馬鹿なわけじゃないと思うのですが、メディアリテラシーについての教育って全然受けていないのですよね。最近の小中学生は教わっているのかも知れないのですけれど(逆に水からの伝言を教わっている可能性もあって油断できない笑)。

 本書では、健康情報、環境問題などについて、いかにデタラメなものが存在しているか、また、それらの嘘情報がいかにして流布され、みんなが信じてしまうのかという二点について興味深く考察されています。

ぱっと見インパクトがありそうなのは、化学調味料の話でしょうか。
化学調味料を食べ過ぎると、頭痛や腕の震えなど「中華料理店症候群」(チャイニーズレストランシンドローム)が起きる。
 「中華料理店症候群」という言葉を知らなくても、味の素をどんぶり一杯食ったらなんか体に悪そうな気はしますよね。まあDHMO(一酸化二水素)でも人は殺せるので(笑)、なんでもたくさん食べると害なんでしょうけれど、なんとなく化学調味料は体に悪そうな気がします。わたしもなんとなくそう思っていました。しかしこの件については、
この話は多くの人が信じ込んでいて、一般向けの医学事典などにも記載されていますし、人気の児童書などにも載っています。しかし、科学的には完全に否定されています。
とあります。うーん、そうだったのか。詳しくは本書を読んで頂けばいいのですが。

 また、マスコミがどのような手段でご情報を流しているのか、という実例もたくさん載っていますので、読み応えがあります。特に「リスクとベネフィットを考える」のくだりは大変参考になりました。リスクコントロールって、大事ですね。

 そもそも科学がもたらしたインフラの上で生活していながら、科学を否定するような言動を撮るのは、納得がいかないことだと思います。それは宗教や文化とはまたちがった問題なのではないでしょうか。

 うちの会社の人たちが、少しでも偽情報に踊らされないように各種の情報と接してくれるように祈ります。信じている人の中には信じたくて信じている人、すなわちビリーバーもいるかもしれません。しかし多くは情報に対する付き合い方を知らないだけなのかも知れないのです。一人でも多くの人が自分の頭で考える日が来るように願ってやみません。

 そもそも、この本にだって間違いがないとは限らないのです。しかし思考のバランスを取るためには、どちらの情報も耳に入れる必要はあるのじゃないでしょうか。

 と叫んでも、ビリーバーの耳には届かないんだろうなぁ(笑)。信じたくて信じている。騙されたくて騙されている。そんな人は結構多そうですね。
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2007年09月12日

木曽のぬくいかあちゃん

1010558.JPG 先日、書店で発見しました。

 「木曽のぬくいかあちゃん」だそうです。うひー。

 なかもぱらぱらと見てみましたが、その辺に普通にあるいい話。タイトル勝負のつもりなんだろうけど、これほど抜けたゆるい語感を編集者はなんとも思わなかったのか。

 背中になにか、イヤンな感じの汗が流れました。
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2007年09月10日

今日の早川さん

今日の早川さん 「今日の早川さん」に戦慄する『今日の早川さん』書籍化決定 で取り上げてきましたが、以前から楽しみに待っていた「今日の早川さん」がいよいよ本屋で平積みになっていたので、早速ゲット。

 SF、ホラー、純文、ラノベ読みなどのビブリオマニア達が繰り広げる、あるある感あふれる本読み的日常の物語。近所の本屋に「俺ゾーン」を設定している人にはお勧め。

 そういや早川さんがAmazonで買い物する姿、というのは見たことがないのですが、やっぱり書痴なマニアにとっては、書店巡りや古書店ハンティングが基本なんですよね。

 本好きにとっては、デジャブ感が実に心地よい一冊です。特に「終わりなき戦い」の姿勢に関する考察は面白かったです。ちなみに私は横向き派。

 こういうのはまず間違い探し。以前、取りあげた時に震撼した「ピンポイント」の話など、いろいろブログ版と掲載された版を比べてみましたが、微妙に違っていて面白いです。いろいろと事情があるのだろうなぁ。興味がある方はぜひ購入して確認してください。

 とりあえず続編は出るのかしらん。先々楽しみですねぇ。

 そだそだ。岩波さん、おめでとーw
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2007年06月06日

旧仮名遣い

 最近ちょっとしたことで宮沢賢治ブームな我が家です。子供たちの間で、「注文の多い料理店」で盛り上がっているようですが、
「おうちに本ないの?」
と聞かれて探したら、原文ママの旧仮名遣い版しかありませんでした。

 とりあえずそれを頑張って読んでいる雪風ですが、

「この『つくゞく』って、なんてよむの?」
「『さふでせうね』って、どういういみ?」

と謎に包まれています。

 父に、きさま、五年生にもなってひらがなも碌に読めんのかと特訓を受けていますが、その様はなにか楽しそうです。旧仮名遣いてのは日本語の別バージョンみたいなもので、覚えていくとなにとはなしに「楽しい」のです。とても不思議ですが。雪風もその意味不明な楽しさにはまり中のようです。

 そういえば、私も自分の父親が秘蔵していた「冒険ダン吉」で旧仮名遣いをマスターしたように覚えていますので、因果はめぐる糸車ですね。

 宮沢賢治と言えば、私の方は昔、悲しくて冒頭で放棄してしまった(笑)「グスコーブドリの伝記」を読み直し中です(読み筋が「プラネテス」、というのは内緒だ笑)。

 勉強って大事だなぁ。うん。
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2007年05月04日

敵は海賊・正義の眼

ビッグにゅーす!
「敵は海賊」シリーズの新作が来るそうです。

http://www.hayakawa-online.co.jp/product/issue_schedules/paperback/list.html
によりますと。
敵は海賊・正義の眼 735円
神林 長平(著)
刊行日: 2007/06/25
〈《戦闘妖精・雪風》とならぶ超人気シリーズ10年ぶりの第7作、ついに登場!いよいよもって海賊課解体!?〉純粋観念としての正義により海賊を抹殺する男が、海賊課の存在意義を揺るがせていく。
だそうです。

雪風第三部は意外とスルー中なんですが(笑)、こいつは6月が楽しみだ!

あっちこっちで告知しまくり!
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老人と宇宙(そら)

1000882.JPG 「老人と宇宙(そら)」読みました。

 なんかね、もうタイトルだけで「やられた」って感じ。なんでこれ思いつかなかったんだろう。すごいよね。原題があくまでも「Old Man's War」であって、「The Old Man and the War」(「老人と海」の原題にちなむとこんな感じ?)じゃないんだから、これ、訳者の手柄ってもんでしょうか。

 中身はやっぱり「宇宙の戦士」なんだけど、ズイム軍曹というかハートマン軍曹というか、まったくどこにでも出てくるな。その口からたれるうんうんの前と後にサーをつけろ。サー!イエスサー!!(ちがーう)。

 まじめに言うならば、読者がこういうステレオタイプな鬼軍曹(曹長だけど)に感じるであろうその後の展開に曹長本人が言及する、というメタな構築は面白かったです。

 けっこう面白かったですが、戦士が「老人」である必然性とそのメリットがいまひとつストーリーに生かしきれていなかったように感じたのが残念です。なかなかいい線行っているんですが。

 あ、「反逆者の月」の方は、いままさにお楽しみ中です。

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遠すぎた星 | 日々雑感II
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2007年04月19日

『今日の早川さん』書籍化決定

http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20070419によりますと、

 なんと早川さんたちが書籍になるそうです!

 毎日rssのフィードから読んでいますが、もう大好き。SF者というか、ジャンクリーダー(ってなんだ?)の心の琴線に触れるネタの数々が素晴らしいです。

しかも出版は本家本元(謎)の早川書房から。
すげぇ。でも岩波書店からじゃないんですね(笑)
発売日は夏が終わる頃
だそうですので、期待して待て!

 必ず買うぞ!つーか、amazonで予約する!早く発売予定出してください!

 買うと言えば、某所などでは、「SFMは図書館で読むといいですよ」なんて話も出ていますが、SFの未来のためにも、やっぱりお金出して買って欲しいと思いますよ。

 専門誌というのは、まだまだ、必要なメディアなんじゃないですかね。
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2007年03月13日

ニコリ2007冬号&ニコリくん

1000589.JPG 先日本屋をぶらぶらしていたら、パズル通信ニコリを発見しました。むかーし、大好きだったんです。なにしろビックリハウサーだったし(笑...ってどの辺が笑いどころかは、誰にもわからない)。

 「目に付いた日が発行日」なはずなので、すかさず入手しました。なんと小学生向けのニコリくんなんてのが隣にあったので、これも入手ですよ。雪風の春休みのテーマだな。おいおい。

 馬の首風雲録のキャラ...ってそういえば以前スリザーリンクにはまる雪風で語ったんでしたっけか。あのへんのキャラの雰囲気は当時と変わらないです。あのウマが好きなんだ。

 数独とかスリザーとか、いかすパズルもたくさん発明していますが、私は推理クイズが好きだなぁ。昔から文章題が好きなんですよ。

 つぶす暇なんて全然無いけど、パズルやる暇ならあるぜ。
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2007年02月16日

大野晋編:角川必携国語辞典

角川必携国語辞典 いま一番面白い辞書、角川必携国語辞典です。

 最近、度忘れがたびたび出るようになって、ちょっと焦ることがあります。こりゃ、いよいよ脳トレしなくちゃならんのか、と思っても、DS-Lなんてどこにも売ってないし(笑)。

 とりあえず辞書をすぐに引くようにしています。以前は赤瀬川でブレイクした新明解をネタ代わりに使っていましたが、今回は気分転換の意味も込めて、角川の必携国語辞典を買ってみました。なんだか半分百科事典みたいな国語辞典です。

 今回はね、井上ひさし氏のお勧めなんですよ。井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室の中で激賞されていたので、買ってみたのです。

 割と最近の言葉も載っていますし、そういう便利さもあるのですが、たとえば定番の「右」をひいてみます。

 新明解ですと、一般的な「南を向いて西」の説明とともに、「この辞書を開いたときに偶数ページ側」とかそういう鋭いことが書いてあって、その辺が赤瀬川趣味ですね。

 ではこの「必携国語辞典」はどうかというと、「南を向いて西」という説明の後に、
古い日本語では、miの音とniの音とは交代することがあった。昔、ミホドリ・ニホドリ、ミラ・ニラ(韮)などと言った。だから、ミギはニギだったと考えると、ニギは「逃げ」と語源が同じで「没する」こと。つまり、南を向いて太陽が没する方向。左が、「ひ(日)だ(出)り(方向)」であるのと対する。
というようなものすごいことがさらっと書いてあるんですよ。すごい、すごいよ。知りませんでした大野先生。この辺が井上ひさし好みなのでしょうか!

 普通に、ぱらぱらめくっているだけで、目からうろこがぼろぼろ落ちる辞書。

 いい辞書、買っちゃったなぁ。
 昼飯食いながら、ひきまくっちゃってます。

 
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2007年01月30日

暮しの手帖:編集長交代

1000377.JPG 暮しの手帖の編集長が変わられたそうです。ええ、ええ、小学校の頃からの愛読誌なんですよ。

 花森安治が亡くなっても、ブキミ星人なくらい変わらない雑誌でしたが、久々に読んでみるとじゃっかん今風になっていて面白いです。

 昔はトースターのテストで何万枚もパン焼いてみたり、すさまじいテストをする雑誌だったんですが、今号ではジュニア向け携帯電話のサービスに対する評価とか、少し雰囲気が違う感じですね。サービスのテストと評価って、難しいだろうなぁ。

 1000375.JPG 暮しの手帖のカットは花森安治が描いたのを今でも多数使いまわしているそうですが、そういうリソースの中でも注目はこの花森フォント。これも使いまわしているのかなぁ。「あ」から「ん」まで全部あって、組み合わせ自在とか(笑)。

 花森フォント、みそ字なんかよりも先に作って欲しいです。モリサワさん、お願い。
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2007年01月12日

上司がインド人になる日

上司がインド人 月刊アスキーのNo.3の表紙を本屋で見かけて、声を上げて爆笑してしまいました。

 「上司がインド人になる日」だって。

 ついうっかり、上司がインド人になったとこを想像しちゃったじゃないですか。ターバン巻いて、ツボを前に笛吹いているとこ。いや、言いたいことはわかるんですけどね。

 馬鹿みたいに笑って、店内で怪しげに思われてしまったじゃないかぁ。

 実際のコンテンツでは、
Features 02
第三のグローバリゼーション
『フラット化』
さよなら日本のホワイトカラー インド人が上司になる日
となっているので、途中で、「なんか変」とは思ったんだろうなぁ。

 もしかして、なぎら健壱、狙ってるの?
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2006年11月06日

ある日、爆弾がおちてきて

 古橋秀之氏著、メディアワークス刊。

 ラノベですよ、見た目。
 ってか内容もラノベ。でもSFです!

 「ライトノベル」という形式自体を著者が望んで選んでいるのか、マーケティング上の要請によるのか、いち読者としては真意はわかりません。が、SFマインドは十分です。梶尾真治が若かったらこういうの書くのかなぁ。

 表題作よりも、「恋する死者の夜」の方がぐっと来ました。

 生と死については、たとえば前述、梶尾真治氏の「黄泉帰り」という名作があります。雰囲気としてはこれに近いようにも思えますが、生者から見た死者への想いにフォーカスした梶尾氏に対し、古橋氏の方は、あくまでも死者が生者を取り込んでいくその様に独特のものがあります。

 また、神林長平氏の「死して咲く花、実のある夢」では、生と死の間に存在する絶対的な境界と、さらに間のトワイライトゾーンについて言及する絶妙な長編ですが、実は広橋氏の言いたいところもこれに近いのかもしれません。自分が生きているのか、死んでいるのか自分でもわからなくなるくだり、切ないですね。

 その他の短編もいくつかありますが、どれも「時間」について言及したせつないお話ばかりです。表紙におじけず、多くの人に読んで見てもらいたいと思います。

 優良なジュブナイルがラノベに成立することを知り、ハッピーな週末でした。
 
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2006年11月03日

超こち亀

 最近ではさすがに少年ジャンプも読むところがなくなってしまったので、まったく読んでいませんが、まだやっていたんだな。初版で買おうとしたら売り切れで買えず、思い出して注文してみたらもう三刷になっていました。冒頭のさいとうたかをとのコラボまんがが話題を呼んでいますが、他のところも読みどころ満載。

 もうせん、70年代に親父がちょっと関わっていたので、集英社から毎週少年ジャンプが送られて来ていました。「こち亀」のスタートも70年代後半だったのですね。当時、多感な中学生ですよ。影響大きいわけだね。

 白状したように、実は麗子が巨乳化したときに(笑)、「こりゃもうだめだ」と「こち亀」を見放していたのです。だからこの本も買う気はなかったのですが、評判も高いようなので一応買ってみるか、くらいのものだったのですが...

 買って正解だよ。

 最近の連載事情はわかりませんが、内容は70年代、80年代のネタも満載ですので、懐かしいことこの上ない。

 当時の連載陣も紹介されていますが、「サーキットの狼」から始まって、「1・2のアッホ」だの、「すすめ!!パイレーツ」だの、「ドーベルマン刑事」だの、「東大一直線」だの、「リングにかけろ」だの、大量に紹介されています。なんだかみんな自分の血肉になっているようだ。

#そんな血肉で生きているのか俺(笑

 そんな私にとってのこち亀は、戸塚と寺井と星逃田と、とにかくあの辺のイメージです。時々勝鬨橋が上がったり...いい話が多かったなぁ。

 中川のジェット機遊び(私の中では面堂終太郎と双璧)の話が載っていないのが残念ですが、藤島康介の言っているジャイロジェットピストルの話は確か射撃大会の話に出て来るんだよな。うむ。

 特別寄稿展の中では、コンタロウ氏が死ぬほど懐かしくて、波目くんの姿に涙してしまいました。

 #特別寄稿展の中の人、半分くらい知らない人だったけど(笑
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2006年10月27日

「今日の早川さん」に戦慄する

coco's bloblog今日の早川さん。大好きで欠かさず読んでいます。

 SF者の末席を汚すものとして、いつもおおうなづきで読んでいるのですが、今日のエントリは、書くほうの話。要旨を引用するとほぼ全文引用になっちゃうのですが、
・一度は自分でも何か書いてみたことがある。
・実は一度どころではない。
・抽斗の奥底(あるいはHD)に、決して見せられない原稿が沢山埋もれている。
・長編は完成させたことがなく、ほとんどが短編である。
・二度と読み返す気が起きないので、手を入れる気にもならない。
・しかし歳さえ重ねればいつかすごいものが書けるような気がしている。
・それまでの修行としてblogを毎日書いているようなものである。
・でも電撃とかいう賞に応募することだけはプライドが許さない。
・たまに寝床に入った後などに『SFマガジン』や『幻想文学』でインタビューを受ける自分を妄想してみたりする。
・その中で国内作家など眼中にないなどと言ってみたりする。

 うっきゃぁぁぁぁぁぁ

 あ、あなたは私ですか!

小説を書くための基礎メソッドとか、「プチクリ」の教えに身を震わせるでも書きましたが、いつかはちゃんとした原稿を書けるようになりたいというやみくもな熱意だけがあります。

 日々精進しようとは思っていますが、今のところこういうブログの駄文がせいぜいなわけで、そこへ持ってきて、
・それまでの修行としてblogを毎日書いているようなものである。
とか言われてしまいますとーーー。

 絶対に人に見せられない原稿、たくさんあります。
 世界観(笑)と設定だけを書きたくて、そこだけが短編じたてになっているもの。戦闘シーンだけが延々と続くの。ひたすら会話体だけの。泣いてばっかりの。愛してばっかりの。

 なんかもう思いつきだけですね。こんなの自分が死んだら消去されるようにしとかないと(汗)。

 さっさとちゃんとした原稿、書こう。

#と時々こういう刺激を受けて、また駄文を積み上げてしまうのである。
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2006年06月08日

新宿鮫 大沢在昌:創作の訓練としての読書

新宿鮫 うう、似合わない本を読んでしまった。

某技法書にて、創作時のキャラクターの視点に関するテキストとして上がっていたので、大急ぎで読んでみたのです。こんなに不純な動機で本を読んだのは初めてです。

 本読みとしては30年以上の経験を有するベテランなんですが、書くこととなると、雑文はともかくちゃんとした「作品」として書く具体的な訓練をしたことがないという恥ずかしい事実を痛感しています。

 「書く」ということはこういうことだったんだ、アイデアを出してプロットを練る、ということはこんなに苦しくて面白いことなんだ、と初めて知って驚いています。

 昔からなんとなく「モノカキ」というものに憧れて、なんとなくその気になれば何かが書けるのではないか、と思っていました。

 根拠のない自信というか思い込みであったわけですけれど、そういう「書きたい」という闇雲な情熱に加えて、ある程度の技術、というか情熱を作品に転化するテクニックというものをかじってみることは大切だと思います。

 あ、新宿鮫、なかなか面白かったです。

 ご都合主義と伏線は紙一重、って感じ。
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2006年05月26日

ヨコハマ買い出し紀行14

ヨコハマ買い出し紀行 ヨコハマ買い出し紀行 (14)。なんと、完結編。

 ふしぎ風味は味付けで、謎解きそれ自体を目的としていない以上、いつどんなカタチで終わってもおかしくないお話でしたが、年に一度の単行本でおっかけていた読者としては、もうびつくり。

 きっと、こういうふうな終わり方なんだろうなぁ、と思っていたものにかなり近いかたち。

 学生時分、友人たちと語らうときに、やたらと昔話になり自分ながら不思議に思ったことがあります。過去しか語ることがないのかなーと思ったのですが(実際はそんなことはなかったのですが)、記憶、思い出ということを掘り下げて、その感傷を鑑賞すること、を物語にすると、こういうお話になるのだなぁ、とよくワケわかんない感想でした。

 ああ、さみしー。

 もうすぐ俺も行くぞ(をぃをぃ)。


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2006年05月24日

雷轟 押井守

押井守 雷轟。オシー先生の最新作です。出版するなり品切れらしいです。

 雷轟?
それって何よと思っていましたが、買ってみると(アマゾンから買ったのだ)「ローリング・サンダー」といふことでした。はあくした。しかし左ストレート三連発とかではないのでお間違いなく。

 ベトナム戦を扱った仮想戦記ってのは佐藤御大の「征途」あたりをすぐに思いつきますが、なるほど「ヤマトステーション」ね。雰囲気は御大の「レッドサンブラッククロス」のインド洋あたりにそっくりです。

 佐藤は「レッドサン」では日露戦争から改変しました。奉天で負けて乃木が自決しちゃうところから歴史が変わるし、「征途」ではレイテでの航行序列をほんのわずかいじって、栗田を戦死させ、そこから「南北に分裂した日本」を派生させたわけですが、押井センセーは南北戦争から来ましたね。これは新しい(笑。

 整備班の岡部曹長、いい味だなぁ(笑)。

 それにしても押井、5式双戦三菱A8M7、川崎三式艦攻A9M6、4式艦戦F4M2、中島A4M1ってなによ。形式名もメーカー名もめちゃくちゃだわ。まさか無知ってわけはないんだろうが、なんか深い意味があんのかしらん?

日本の海軍機あたりを参照のことね。

 岡部曹長も言っているとおり、ツッコミどころ満載ですが、戦争に対する作家の思い、というのが伝わってきて、興味深いです。宮さんあたりとは相容れないだろうなぁ。

 やっぱ、橋落としているし(笑)。


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2006年05月19日

ケータイを持ったサル&考えないヒト-正高信男著

正高信男 正高信男氏の二冊。doblog内で読んでいる方がいて私も便乗。

 よく考えてみると、妻が仕事がらみでよく正高氏読んでたんです。本棚に「父親力」とか入ってるし。

 サル研究家、ということでとかくサルのフィールドワークに引水されるのですが、その辺はまあ(笑。
観察力という点はさすがに研究者だと思います。

 このところこの手の若者世代批判本(笑)を立て続けに読んでいます。心理学者が書いた本、マーケッターが書いた本、サル研究家が書いた本。どれもふーむと思います。

 コミニュケーションの範囲としての「社会」が狭く、そこがプライベートの延長してしか捉えられない(あるいはプライベートの延長とできる範囲のみを自分の「社会」としている)という雰囲気はたしかに感じます。

 こういう人々と接する時の参考であるとともに、自己を振り返るいい機会になりました。私としては文化の喪失の章が読みどころでございました。

 私がケータイを持たない理由にもいろいろありますが、なんか力を得ちゃったな(笑

 

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2006年04月26日

下流社会&他人を見下ろす若者たち

下流社会&他人を見下ろす若者たち 先週から今週にかけて読んだ本。

 会社の若者たちがどうもよくわからないので、最近この手の分析本(?)をやたらと漁っています。

 この二冊は心理学者とマーケッターが書いたもの。著者の立場を考えながら読む必要あり。

 どちらも比較的分析の方に比重がおかれていて、合間あいまになんかこう頭にくるインタビュー(笑)や事例をちくちくと載せながら、それ自体の善悪にはなるべく言及しないという形式。評論にはいたっていないように思えますが、実態を知るにはよかったと思います。

 どちらも現代の若者のあり方を分析していますが、まあネガティブな扱いなんだろうなぁ。それにどう対処するかという点は自分で考えないとしかたがない、それがまあ今の自分の仕事ですか。

 世代論的にいうと、私自身は新人類ってやつなんでしょうか。わが身を振り返りながら読むと、なかなか耳が痛いところも多々ありました。自分もよりよく生きねば。

 それにしても30前後の若者を教育なんて、ぞっとします。30過ぎていまさら成長なんてしないでくれよ、と半ば逆説的に思ったり。

 ああ、これも仮想的有能感って奴ですかね(笑)。
 


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2006年04月12日

ファイブスター物語12巻

ファイブスター物語12巻 俗にF.S.S.というやつです。

ファイブスターストーリーズだそうですが、ファイブスターズじゃねぇのかとこの二十年間気になって仕方がありません。

 そう、振り返ればもう二十年。そもそもは大学のBOX(普通に言うところの部室)にころがっていた、某メタル系おたく後輩(笑)が持ち込んだ奴を勝手に読んだのが始まりでした。

 以来20年で12巻ですよ。最初のうちはわりと順調でしたが、11巻が出たのは2003年ですよ。

 つうことで惰性そのもので買い続けていますが、もーそろそろいい加減にしたい。キャラクターとエピソードを並べているだけで、ストーリーは全然進んでいかないし、思いつきとご都合主義と変なおふざけばかりで見ていて既に不愉快。傍から見ると、じつに気味悪い絵柄だし(笑)。

 でもまあ惰性だしな、次も出たら買うんだろうね。

 そもそもエルガイムネタをここまで引っ張るとは、ちょっと驚異です。付き合い続ける自分も。

 誤字脱字は例の如しで、さすがはニュータイプクオリティ。

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2006年03月15日

S-Fマガジン4月号:雪風、載ってました


昨日、本屋でS-Fマガジンの4月号を見てきました。
確かにありました、雪風の第三部。内容は読まなかったけど。

で買おうと思って取り上げてみたら、なんだか600号記念とかで定価が2400円なんです。なにィ!

なんだか抱き合わせ販売のようで、手が出ませんでした。古本で買ってやるか。

それともSF界へのお布施のつもりで買っておくべきかなぁ。
でも雪風30ページ分くらいのために2400円かぁ。ううむ。

通常の三倍の価格で迫ります!
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2006年03月13日

出張中に読んだ本:「巨人たちの星」&「地球の子ら」

巨人たちの星 なんか出張の時しか、本が読めなくなってきたな。ホーガンの巨人シリーズ三巻。その後「内なる宇宙」が出て四部作になりましたが、長いことこの三巻が完結編だったのですね。

 ネタバレは避けますが、巨人たち、あれドラえもんだね。「高度に発達した科学はドラえもんと区別が付かない」というあの法則。

 もうちょっと科学方面でクラクラさせてくれるとよりよかったのですが、まあスペオペも嫌いじゃないし。なんかE.E.スミスっぽくて楽しかったです。

 地球的=アメリカ的ってのがちょっと引っかからなくも無いですが。

地球の子ら 石原藤夫ですよ。ヒノシオコンビですよ(ってこれには出てこないけど)。

 ずいぶん昔の短編集。70年代かな?80年代前半かな?未来の話として90年代が出てきますが、当たり外れでいうとかなり当たっているかんじ。

 高度情報化された未来をディスユートピアとしてでなく、しかしちょっとしたスパイスを絡めて描いています。

 昔描かれた未来のSEの姿は今の自分と重なる部分もあって...
とうとう未来に追いついたんだな。

 
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2006年02月13日

「戦闘妖精・雪風」第3部スタート!


忙しくて書き忘れてました。
「戦闘妖精雪風」ではなく、「戦闘妖精・雪風」の方ですが、S-Fマガジンの4月号から第3部が連載開始だそうです。

「グッドラック」でMAC PROを介してべらべらしゃべり始めた雪風(笑)。次作では音声出力を装備し、萌え要素満載になるのではないかとは使い古された冗談ですが、どうなるのかなぁ。

第1作では
「DE YUKIKAZE ETA 2146. AR.」
のたった一行のデジタル通信だけで私を号泣させた雪風であったのですが...

第1作目の連作としてのあまりに美しいまとまりに、今でも涙を禁じえない私としては、痛し痒しの続編発表であります。まあ本家本元の純正雪風ですからもちろん期待も十分あるのですが...

さあて、どうかな。

あまりにやばければ、
「俺には関係ない」
でかわす予定(笑
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2006年01月17日

小説を書くための基礎メソッド

小説を書くための基礎メソッド 「1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編」購入しました。

 以前プチクリのエントリでも書きましたが、なにかこう体の中にふつふつと「書きたい」という衝動だけがあります。

 その中に「小説を書きたい」という気分と「作家と呼ばれる身分になりたい」という気分のどちらが濃いのか、というのは、自分だけの秘密。

 とにかく熱意と衝動はあるのですが、書いてみるともうからっきしで(笑)。

 熱意と衝動はあっても、きちんと勉強をしていないのが問題だ、とこういう本を読んでいます。

 以前シナリオの入門書なども読みましたので、プロットやハコガキについては知っていましたが(笑)、これだけわかりやすく書いていただければ非常に理解が進みます。

 熱意と衝動をもてあましている方は、気分転換にこういう勉強もしてみてはどうでしょうか。

 とりあえず短編書いてみよう。


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2005年12月19日

アンリミテッドウィングス1

研三 アンリミテッド・ウィングス1買いました。

 スキップ・ホルムの駆るP-51レーサー、#4ダゴレッド打倒を狙う下町の研三の話。すげぇな。プロジェクトXだよ。

 キ78「研三」てのは日本の帝国陸軍が研究していた高速研究機。試作機ですらないんだが、航研三番目の機体なので「研三」。試作機の川崎キ64と並んで、まあ懐古趣味人の見果てぬ夢というやつ。ちなみに長距離記録機の「航二」が二番目の機体なので、その次にあたる機体なのですね。キ64と違って、ちゃんと飛んだんだよ。699.9q/hがこの機体の持つ日本のレシプロ機中最速となるレコードだ。

 ということで、1巻は神田っぽい元イーグル・ドライバー(笑)が、グリネマイヤーの特訓を受けて、リノに到着するところまで。

 新谷テイストばくはつですが新谷作品ではありません。感じとしては実名で有名人が出てくるあたりが「ふたり鷹」ですし、何しろリノのエアレースというとあの「日の丸あげて」がありますけど、あれはかなり嘘っぽい。こっちの方が(実物みたことないけど)リノの雰囲気は出ているんじゃないんでしょうか。

 旧軍機でエアレースというと、「ハミングバード」に五式戦レーサーが出てきたことがありますが、あれはリノってわけじゃなかったな。
 これで主役が「研三改」じゃなくて本物の「キ78研三」でやってくれればいうことなかったんだけどなぁ。あまりにも現実味なさすぎ。

 じゃあ、キ-78がマスタングレーサーに勝てるのか、というとちょっとアレですが(笑

 DB605ってのはいいポインツだね。
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2005年12月15日

ネットせどりの戦果:キャメロット最後の守護者&36000キロの墜死

キャメロット最後の守護者&36000キロの墜死 いぜん、こっちでも書きましたが、ネットで中古本がどんどん手に入る時代になりました。

 それにしてもこんなフツーの本が絶版で手に入らないんです。どうなってんのかね。

 「キャメロット最後の守護者」は、「フロストとベータ」が読みたくてずっと探していました。メカ人情モノ万歳。でもベータがもーちょっとかわいいといいのに。人間ってのは、怖いモンなんだぜ、と実感。

 「36000キロの墜死」は未読です。お正月に読もう。
 なにしろ谷甲州は「オービットコマンド」も絶版ってんですから、出版社にはどうにかして欲しいよね。

 どちらもアマゾンの中古本で格安でした。ヤフオクは逆に上がっちまってダメです。

 この勢いなら「わくわく谷山浩子」とか「まるまる新井素子」とか松本大洋の「ストレート」が手に入るのも近いか?

いや、どれも実家を探せばどっかにあるはずなんですが(笑)。
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2005年12月07日

アサヒカメラ12月号

アサヒカメラ 普段は日カメなんですが、今月は植田正治氏の記事があるということで買ってみました。

 植田氏、以前かなりはまったことがあって、著書も読みました。アマチュアリズムについての言及が特によかったです。そうなんだよなー、アマチュアって単にお金をもらわない人って意味じゃないんだよね。

 中平卓馬氏の記事も興味深かったです。大半の記憶を失っても、撮り続ける写真てのは...

 日カメよりも読むところたくさんあって、こっちに変えようかなー、と思いました。飯田鉄VS赤城耕一かあ。宇佐美健と田中長徳がいないだけ、こっちがいいかも(笑
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2005年12月01日

本の虫養成計画その2:宇宙のスカイラーク号

宇宙のスカイラーク 黒猫サンゴロウシリーズが予想外の効果を示したので、その第二弾。

 ドク・スミスのかの名作「宇宙のスカイラーク」の子供版、「宇宙のスカイラーク号」。岩崎書店の『冒険ファンタジー名作選 2期』 に入ってます。先日やっと復刊したのだな。大事だよこういうの。

 私はスミスに入るのに、スカイラークから入った方なので、レンズマンにはスカイラークほどははまらなかったです。やっぱしエリートでどこか優等生なキムボール・キニスンよりは、こういうがらっぱちなリチャード・シートンが好きでした。デュケーヌに啖呵切るシーンが好きだなぁ。

 ところで、このジュブナイル版では、本来シートンの婚約者であるドロシーが、なぜかシートンの妹ということにされています。マーガレットはそのまんまなのに、どういう理由だったんでしょう。

 あの2+2という組み合わせがスカイラークなのに、これじゃ続巻だせないじゃあないですか(笑。

宇宙のスカイラーク こっちが私が読んだ版ですね。

 続巻といえば、この後「スカイラーク3号」、「ヴァレロンのスカイラーク」と、ドラゴンボールもびっくりのエスカレーションを見せるジャンプ系の展開がひじょーに面白いのですが、こっちは子供版、なかったかなぁ。



 
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2005年11月28日

翼に日の丸

翼に日の丸 翼に日の丸、昨日届きました。紀伊国屋すげぇ。

さて、問題の内容ですが、なんと「ラバウル烈風空戦録」のリライト版。

本当にまるっきりリライト。
買わなくてもいいよ、これ。

とりあえず「上 双戦編」は旧1〜3巻までの内容です。

しかしなぜか主人公の一人称から三人称に変わっています。かなりかんばっているとは思いますが不自然な部分も多々あります。

 あの川又名物のダッシュ連発は封印されていてちょっとだけ読みやすい。例の飛行中にUFO見る話はカットされてるな。回収されるかされないか、結構楽しみにしていた伏線なんで残念です。

しかもよーく読んで見るとですね、あちこちのセリフがびみょーに反米的なものに変えられています。反米ってか、アメリカを馬鹿にした感じのセリフがあちこちに追加されてます。侮米って感じ?なぜなんだ。

角川、だからですか?

なんか非常に不愉快になってしまいました。

なんでぇこれ。
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2005年11月24日

川又千秋著「翼に日の丸」:『ラバウル烈風空戦録』、待望のシリーズ完結へ!

翼に日の丸 あまりに信じられないことなので、大急ぎでアップしときます。川又千秋のあの「ラバウル烈風空戦録」が完結するんだそうです。

 なにしろ最後にでた15巻「逆攻編」が97年のことですぜ、まったく。

 何があったのか中公から角川に出版社変わってます。

 「翼に日の丸 上 双戦篇 (角川文庫)」だって。うーむ。
日米の泥沼の消耗戦。太平洋の空を零戦、双戦、烈風、閃風が舞う。一人の戦闘機パイロットの目を通し描き出す、もう一つの空戦の歴史がここに。『ラバウル烈風空戦録』、待望のシリーズ完結へ
 ほんとか?本当かよ!?信じられネーよ。墓場にはいっても読めないと思っていた完結が読めるのか!?

#それにしてもなんで「上 双戦編」なんだ?
#話、戻すのか?

 完結できない大作を書く作家は困るナーとか思ってましたが、今回本気で完結するんでしょうか。実際「ラバ空」本編は烈風も登場したし、いいところまではいっていた訳で、なんであそこで止まってたんだか、って感じでしたが。やっぱ完結前に外伝なんて書いてちゃ駄目なんだな(笑)

 ああ、夢じゃないかしらん。早く注文しよっと。

 興奮気味でお伝えしました。

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2005年11月05日

旅行中に読んだ本:ガニメデの優しい巨人

ガニメデの優しい巨人 「ガニメデの優しい巨人」です。先日の旅行中に読んでました。昼間は子供を追い回してましたが、晩になんとか読了。

 いやー本当に優しいや。ああいう風に生きるべし、と思う心と、全てに挑戦し、勝ち取っていきたいと思う自分が二つながらいます。

#新聞などを読んでいると、巨人たちにあきれられそうなニュース
#ばかりで悲しいですが。

 話の持っていき方に強引なところもあるし、時間のかかりぐあいで理屈がよくわからないところもありますが、それはまあそれとして。

 連作、うまいなぁ。ここまで読んで続刊を読まない奴、いないですよね。後二冊だ。

#続刊は「巨人たちの星」、さすがに「巨人の星」じゃないんだな。

 よく、
「この本をまだ読んでいない人は幸せだ。これからこれを読む楽しみがある」
などと書評でよく見るセリフですが、いやあ、まさに自分がその真っ只中にいるんだな、と実感しました。

 ああ、幸せ。


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2005年09月30日

出張中に読んだ本:神林長平「鏡像の敵」&ヘンリィ・スレッサー「快盗・ルビイ・マーチンスン」

鏡像の敵 鏡像の敵。積んどいた神林、読みました。

 子供が死ぬ(いや生きる話なんだけど)シーン、駄目です。

 親になったらてんで駄目になっちゃった。おかあさん、かわいそう。

 どれも読んだ感じがする短編ばかりですが、SFMだったのかな。

 むかーし習ったアリストテレスの個物の実在を思い出しました。
プラトニックな神林らしくないような気もしましたが。結構肯定的なんだね。

 時間と空間。主観と客観。純粋客観を求めているのだろうか。「グッドラック」だかの「目が醒めすぎた感じだ」というセリフを思い出します。

 もしも社会が主観の集積ならば、人間は永久に目を醒ますことはできないでしょう。まあ小狐丸が発生させる戦闘照準空間もそうですが、なにかこうものさしというか座標軸がほしいのだろうなぁというのはひしひしと伝わってきます。

 どれもいいお話です。わからんひと、すまぬ。好きなのです。

快盗ルビイ・マーチンソン 快盗ルビイ・マーチンスン

 山本一力氏のお勧めで即買。

 面白いのはルビイじゃなくって、デブな「わたし」なのだ、と気づくのに結構かかりました。

 どのネタもどこかで聞いたことがあることばかりで、そういうへんの力の抜け具合はいい感じです。おっしゃれー!

 
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2005年09月21日

げ、銀河ヒッチハイクガイドが復刊&映画化?

 昨日ふらりと本屋によりましたら、河出文庫から「銀河ヒッチハイクガイド」と「宇宙の果てのレストラン」が出ていました。びつくり。

#「宇宙クリケット大戦争」が出ていないのはなぜだろう。

 帯を見るとですね、映画化されたんだって。うひゃー。

復刊.comでもずーっと上がってたんですが、映画化ということで一気に復刊(別会社からだけど)されたんですね。めでたい。訳が風見潤じゃないのは気になります。親しみやすい文字で「あわてるな」と書いてあるはずが、「パニくるな」ですか?うーん。

 確かに原書では「Don't panic.」だから間違いじゃないんだろうが。うーん。

 どーも記憶の中ではヒッピーになったヒノシオコンビ((C)石原藤夫)つーイメージだったんですが、映画化かぁ。

 どんなんでしょうね。

 
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2005年08月31日

歳相応の本

歳相応の本 本屋さんに行くと、児童書のコーナーには「〜年生向け」という帯が付いた本がたくさんあります。

 私自身はまるっきり年齢と合わない本ばかり読んで育ってきましたので、こういう表記を見ると、とっても違和感というか、大人気なくもあからさまな反感まで感じてしまいます。

私が小3の頃というと、暮しの手帖関連の本が家にごろごろあり、「戦争中の暮しの記録」ですとか、「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」ですとか、「スポック博士の育児書」(激しく謎)なんかを読んでいたような気がします。

 小学校高学年から中学にかけてはブルーバックスとハヤカワの文庫、あと遠藤、北、畑、とかその辺を読んでた気がします。

 こういう帯を見て子供が本を選ぶわけではないと思うので、本を読ませたい親が参考にするんだろうなぁ。
 なんとなーく、その気分はわからないことはない今日この頃ではありますが。

 子供を知識に導くことは出来ても、考えさせることは出来ない、とかいったのは、歴史と道徳哲学のデュボア先生だったでしょうか。

 そういえば雪風、あんまり(というか私ほどは)本読まないんだよなぁ。不思議。
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2005年08月29日

星を継ぐもの

星を継ぐもの 「星を継ぐもの」読了。

 なぜかね、ジェイムズ・P・ホーガンって抵抗があったのです。

 ついあのドジョウヒゲを思い出してしまうからなのかも知れませんが(違)、「ふしぎの海のナディア」を見返していたり、Zガンダムが公開されたりしたのをきっかけに読んでみました。

 すげー面白いです。創元社のって、活字のポイントとか、翻訳とか、ハヤカワっこの私にはどうもなじめないところがあるのですが、それらを超越してよい!です。

 SFミステリー風味ですが、最後のエンディングがいいなぁ。未読の方にはお勧めです。ぜし。

#「スカイ・ネット」の初出はこの本なのでしょうか?


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2005年08月18日

スケールエイビエイション9号:素敵なイラストレータたち



スケビ9号。隔月だから9月号だと変?

横山宏がスーパーバイザになってから4冊目。スーパーバイザって何?って疑問は今も残るのですが、とりあえずメカ好きイラストレータのなかまが一杯集まっている感じはちょっと好き。

青井邦夫氏とか、佐藤道明氏とか、好きだなぁ。

青井氏は、青井お七の由来になったくらい、銀河乞食軍団のイメージでしたが、あのイラスト見ると、銀コジ開始当時のワクワク感を思い出します。F-401好きだったなぁ。実際銀コジのイラストレータは加藤直之氏だったんだけど、お七のおかげで青井邦夫氏を思い出しちゃうんです。
青井氏のイラストでは今月号の「キャプテンスカーレット」のエンゼル隊イラスト、素敵にいいっす!

佐藤道明氏は例の悪名高い(笑)、「要塞シリーズ」の表紙が印象に残っています。でもあんなかに設定だけ流用した佐藤師匠のオリジナルコミック「漂流要塞」ってのがあって、かなり好きでした。あれのあとがきの「スピット愛を語って女の子に振られる話」もすげー好き。
あの作例、あのテキスト、あのイラストを隔月でやってくのは相当な気合だよ>佐藤師匠

ウメコ・ウメオさんですか。英語のキャプションに、「Umeko UMEO」なんて書いて、ガイジンに分かるもんなのか(笑。

迎撃機特集ということですが、全体的に横山氏がドーラやりたかった感がありあり。今後もこのいきおいで行ってほしいです。
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2005年08月09日

ピアノの森10:いつの間にか出てました



「のだめカンタービレ」を買いに行ったら、なんともう中断したっきりになったものと半ばあきらめていた「ピアノの森」を発見。いつの間にか10巻が出ていました。

装丁、変わっちゃったのな。でもそろえ直しなんてぜってーしねぇぞ。

個人的には便所姫を強く応援したく。
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2005年07月27日

えい(木偏に英)出版



えい出版...書けねーよ。えい。なんとかしてくれ。

ジャンル的にはかなり趣味的なエリアをカバーしています。非常に面白そうなタイトルを連発しているのですが、いかんせんどれも著者が無名。

もちろん、なかには読めるのもありますが、じゃあってんで著者の名前だけで買えるかというと、ちょっと避けたくなるのもまた事実。

ちゃんとしたライターに頼んで書いてもらったらいいのになぁとか、原稿料安いんだろうなぁとか、つい邪推してしまうのです。

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2005年07月25日

たまには違う月刊誌を買ってみる:アサヒカメラ8月号

アサカメ いつもは日本カメラなんですよ。

 日本カメラでいやなものは、田中長徳と荻窪圭かな。あれに金を払っていると思うととても悔しいです。長徳、まあだいたい分かる人にはわかると思うんだけど、一番駄目なのはあの悪文です。文章下手なの。ああいうカラーで売っているんだろうけど、私はぜんぜんだめ。おかげさまでウィーンもプラハも佃島も嫌いになりました。
 荻窪圭も昔からPC雑誌に目を通していた私にはもう、なんとも。

 でも飯田鉄がちょと好き(笑)でそんで日カメなんですが、たまには違うのをと思ってアサカメ買って見ました。

 今まで「アサヒ」というところに抵抗があって購入はしていなかったのですが、なかみスカスカの日カメよりずっと読むところは多いなぁという感じです。赤城がちょっとアレですが長徳よりはまし。
 (私的に)評価二分の赤瀬川はどっちにもいるし。
 それにしてもベルビア+PL使用のタケちゃんはどこいっても同じ写真載せてるんだなぁ(笑

 今月はたまたま東京人も長徳で、嫌度がアップしていましたので、ちょうどいい感じでした。来月は須田一政らしいし、定期購読、アサカメに切り替えようかしらん。
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2005年07月11日

出張中に読んだ本:鋼鉄の破壊神&サマー/タイム/トラベル1

戦艦大和欧州激闘録-鋼鉄の破壊神 「戦艦大和欧州激闘録-鋼鉄の破壊神」

 なんかヤクザの出入りかと思ってしまいますね。

 仮想戦記モノはもう佐藤大輔と川又千秋しか読まないことにしてますが(というか後者は「もう読めない」状態)、この本の作者は、佐藤大輔チルドレンといった感じでもろ影響受けまくりというか、ほとんどパクリ状態です。

 日本とドイツ、最近では必ず戦わされてしまう両国ですが、その発端をどこにおくか。佐藤大輔は日露戦争での陸海軍の戦果バランスからはじめてますが(単に乃木嫌いとの説も)、この作者はどこから始めますか。一応説明はありますが、どうも佐藤の真似して付けてみました感が抜けません。いい意味でも悪い意味でも佐藤的。

 有象無象の火葬戦記の中ではまあまし、と言った程度でしょうか。一読して楽しむにはいいかな。

 ああ、あと日本語の間違いが多数です。内容はともかく校正が出来ない編集者の方は二流確定ですね。秒速500kmの砲弾ってなんだよ。

サマータイムトラベル 「サマー/タイム/トラベル1」

 鶴田の絵に引かれて買ってしまうんです。もう条件反射だな。
 表紙と扉だけでもいいやって感じ。

 まだ一巻ということで、評価すべきじゃないかもしれませんが、読むのに苦労しました。

 「スカイクロラ」なんかもそうなんだけど、青春SFの一人称語りというのはきついものがあります。やっぱラノベの領域だよなぁ。大人が少年を代弁して書く、という行為自体がかなりいやらしいものなので、そういう異臭を感じさせず、読者の心の青春に反響を起こさせるのはなかなか困難、ということでしょうか。もしこれが青春の踏み絵だとすると、見事に踏んでしまった私です。

 どうも「本読み」というものに対してコンプレックスがあるのではないかと疑いたくなるほど全体にわたって意図的に衒学的。中の人、必死でぐぐりながら書いてるんじゃないかって思いました。そういうの感じさせちゃだめだよな。もっとスマートに偉ぶって欲しい。

 古今の名作SFを利用する、という点では、「亜空間要塞」とか漫画だと外薗昌也の「琉伽といた夏」(これはサブタイに流用という古典的手口)とか、一杯ありますけれど、どうもこちらのほうはそこまではこなれていない感じ。ぐぐってきてコピペしたわよ感が出てしまうのはなぜでしょうか。

 「それはまた別の話」「これは後になってからの話なんだけど」といちいち明示して伏線張るのもどうなんでしょう。しつこいくらいでてくるんですが。ブギーポップあたりに影響されてんのかなぁ。

 続巻が出たら買うかどうかは微妙なところですが、まあ鶴田謙二の絵だったらそれだけで買うだろうなぁ。で、なかは辛い、と。しくしく。
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2005年07月02日

出張中に読んだ本:谷甲州「星空の二人」

星空の二人 「星空の二人」読了。またもや新幹線内読書だ。

 先日「パンドラ:読了! | 日々雑感II」で一杯食わされてしまったので(笑)、ちょっとこわごわ近寄ってみる。ネタばれあり、なのかな。

 愛と性がテーマなんすか?なんとなく全体的に70年代チックで、どこかで読んだことのあるようなデジャブな短編集。

 航空宇宙軍の第二作として書かれたものの全面改稿版が「ガネッシュとバイラブ」として収録されているのが最大のびっくり点。ああ、すばらしい。
 ちなみに私がSFのなかでもっとも好きなジャンルである「AIメカ人情もの」には、「戦闘妖精・雪風」とか「砲戦距離一二,〇〇〇」とかいろいろありますが、収録の「ガネッシュとバイラブ」も泣けます。燃える発進、そして無限へと旅立つくリリカルなエンディング。ああ、いとおしい、戦闘AIたち。

 タイトルチューン(?)の「星空の二人」は、「たったひとつの冴えたやり方」的トラブルシュートSF(なんのこっちゃ)。もーちょっとロジカルな解決だと谷甲州っぽいんだけど、ロマンチックにはなりがたいか。

 あとね、なにかこう、父と子の姿ってのにぐっと来ました。いま子育ての真っ最中ですが、今がどれほど大切な時間なのか。もうひしひしと。

 とりあえず、買い!です。

 ところで航空宇宙軍の未発表作ってまだあるんでしょうか。ああ、読みてー!!!この改稿作業でまた書き始めてくれないかなー。

 それにしてもこの表紙はヤメレ!どこぞのラノベと変わらんじゃないか。

 鶴田謙二まにやな私なので、最近増えた鶴田謙二表紙なSFはついふらふら買ってしまうほうなのですが、これはイカン。

 男の表紙は横山宏、これでキマリ。

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2005年05月23日

本を捨てる

ブックオフ 部屋の中が極限に近づいてきたので、本を減らすことを決意しました。

 以前、本でアパートの底が抜けてしまったというニュースもありましたし、笑い事にならないかもしれないのです。

 とりあえず月刊誌関係は、本当に重要なものを抜き出して、不要なものを資源ごみにしました。日カメとかモデグラとか、思い切ってカーマガなんかの車関係もいくつか。ああかなしい。

 それから単行本、文庫本、新書、コミックも処分を開始しました。

 まず最初は本当にいらない本からです。

 いま思うと、なんでこんな本を買っちゃったんだろうと思う本が結構あります。今回は120冊くらいかな。揃いのコミックもいくつかぶちまきました。

 近所のブックオフで放流しましたが、値付かずが20冊くらい。合計3000円でした。安いけどごみになるよりはいいか。

 ねじめ正一は値が付いて、山田太一は値付かずというのがなにかちょっと面白いですが、どういう基準で値が付くのでしょうね。どっちも程度は似たり寄ったりでしたが。

 シリーズもので全部そろっているのに2巻だけ値付かず、とか不思議な感じです。次にはちょっと聞いてみよーっと。
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2005年03月09日

ネットせどりのメモ


せどり、皆さんご存知ですよね。古本を買ってきて、高く買い取ってくれるところに転売する商売のことです。元祖テンバイヤーというわけですが、目利きのワザがいりますので、ヤフオクの転売なぞよりは高尚なお仕事ではないかと思います。
もともとの意味としては「競取り」とも「背取り」ともいうようです。
前者は競って買い集め、うっぱらうことでしょうし、後者には、
1.本棚の背表紙を見ながら、古本を抜いて歩くこと。
2.古本の背を削り、きれいにして再出荷すること、
などの意味があるそうです。後者の2なんてすてきな呼び名ですね。

で、ネットで古本を探しているわけです。

探す場所をメモしときます。

ヤフオク
メジャー中のメジャーですね。
アマゾン
最近は中古の本も扱っているようです。
紀伊国屋
同上
スーパー源氏
探求本で、買ったことがあります。
復刊.com
なかなか100票集まりません(泣
電子書店パピルス
もしかしたら、電子書籍になっているかも。
イーブックオフ
買ったことないけど、もしかしたらいいかも。

私の場合は転売じゃなくて、自分用に欲しいだけなんで、いままで見つからなかった本だと熱くなって値段を結構出してしまうほうです。

その他、どなたかご存知のよい場所があれば、おしへてつかーさい。
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2005年02月21日

インナーネットの香保里:読了

インナーネットの香保里 「インターネット」じゃなくて「インナーネット」です。

 梶尾真治氏のジュブナイル。先日青い鳥文庫で発見し、購入しておいたもの。

 あっという間に読めます。読後感すっきり。ジュブナイルだから当たり前か。

 もともと読者を選ばない人なので、特に「子供向け」に書いたようには見えません。言葉はかなり選んでいると思いますが。それでもかまわずに「暗黙知」を繰り出すのがすばらしい。このくらいは大丈夫でしょう。

 カジシン風味は十分です。でも枚数の関係でちょっとだけ薄いかな?もっとこってりしたのが欲しい人は早川の文庫へどうぞ。

 表紙は鶴田謙二氏です。なにしろすごくいいです。Forgot me notの続きもぜひお願いします。最後まで読んでから表紙を見返すと、ちょっとほろりときます。

 とにかくこの青い鳥文庫のfシリーズ、要チェック。

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2005年02月18日

講談社青い鳥文庫:掘り出し物多数!

青い鳥文庫 先日本屋で児童書のコーナーをうろうろしていましたら、講談社青い鳥文庫というのに気づきました。

 小学校高学年あたりが狙いなのかな。WEBだとこっちですね。

 なにこれ、カジシン?絵は鶴田 謙二?
いつの間に出ていてのさこんなの。

 「青い宇宙の冒険」がこの装丁!

 おいおいおい。かんべむさしを読む小学生はいるのかッ!

 「ねらわれた学園」も緒方剛志(画)ってのは絵師が頂けませんが、読ませたい読ませたい。

 うわ、「時間砲計画」。「ウッフンという関係」なんかが出てきたっけか?そりゃまずいだろう。

 うーん、出版社にも好き者がいるんだなぁきっと。
 すこしだけ明るい気分になったデス。すばらしい!

 それにしてもネーミングなんとかならんのか>青い鳥文庫
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2005年02月15日

世界の駄っ作機番外編蛇の目の花園:読了

世界の駄っ作機 「世界の傑作機」といえば、名高い文林堂の名シリーズ。
 で、「世界の駄っ作機」といえば、軍事評論家の岡部いさく氏がわざわざ岡部ださくのペンネームを使ってモデルグラフィックス誌で行っている連載です。
 更にこの「蛇の目...」はモデルグラフィックスの姉妹誌である飛行機模型専門誌・スケールアヴィエーション誌に連載していた「とっても蛇の目なコイだから」という意味不明な連載をまとめたものです。ああ複雑。

 模型やるひとには「蛇の目」といえばラウンデル、英国の国章であることはすぐにわかりますが、一般人にはどうなんでしょう。要するに英国の変なヒコーキを愛情を込めてこき下ろすという実に楽しいコラムなのです。

 岡部氏、私なんかよりも年上だと思うのですが、P17Aの解説で、「これはもう土台というかドダイ」だとか、「当たらなければどうということはない」などと、実にわかりやい言辞が連発で、つい笑ってしまいます。押井守氏なんかからも映画の軍事監修をやって欲しいとラブコール貰ってましたが、わかるなぁ。

 「駄っ作機」の番外扱いですが、本来英国機をまとめていただけなので、表紙にはスピットが載っていたりします。スピットは駄作じゃないので誤解なきよう(トーネードはちょっとビミョー)。

 表紙の佐竹政夫(もともと本家の「世界の傑作機」シリーズの表紙を書いている人)もノリノリだなぁ。カバーをはいだら、そこにもライトニングがいました。

 ああ、面白い。

 そういやライトニングの増槽って、主翼の「上」についてて、不思議だったんですが、あれ主脚が邪魔で翼下にハードポイントがつかないんですね。ぜってー不便だと思ってました。ライトニング、「エリア」じゃエスケープキラーの黒人三人組が乗ってましたね。新谷かおるも蛇の目愛だなー(笑

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2005年02月14日

立ち読みモノの仁義

立ち読みの仁義 駅前のでかい本屋ですが、児童書のコーナーにこういうスペースがあんの。

 で、雪風はここに腰掛けて本を読むわけです。他の一般書のコーナーにもなんか応接セットみたいの置いてあるんですが、立ち読み暦30年の父には非常に落ち着かないというか、納得のいかないスペースなのです。

 だってその本は売り物だよ。本屋の商品だよ。図書館じゃないんだよ。

 販売前の商品をただで読ませることを前提にしている本屋の神経が、私にはよくわかりません。

 よく本屋で座り込んで読んでいる中坊がいますが、それとこれとはまた別の問題で。

 「立ち読み」というあくまでもグレーな行為は、それという自覚の下にのみ成立する動作なのだなぁ、と思ってしまいました。
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パンドラ:読了!

パンドラ 「パンドラ」読了。いや、谷甲州氏はすげー好きです。大好きですよ。

 航空宇宙軍史が終わっちゃって、山岳モノと仮想戦記ものばっかりになったようで残念に思ってました。だからこの近未来太陽系内もの(なんじゃそら)には期待してました。

 近未来太陽系内戦争ものというと、例の航空宇宙軍史でとどめという感じもしますが、例えば「太陽の簒奪者」とか、いろいろあるわけです。そのなかで「パンドラ」、どーなんですか。

 ディテールはすごくいいです。まるで見てきたようですし、考証もちゃんとしてそーだなーって感じで、わざわざ裏を取ったりとかする気もおきないくらい素直に楽しめます。

 でもくどい。

 2500枚だそうですが、長さを誇っちゃ駄目だよ。くどさでいうと、あのほら、「二重螺旋の悪魔」を思い出したくらいですから。
 山本弘氏のSF紹介本で、「長ければいいってモノじゃない」という主張がありましたが、まったく同意。

 前半部分と後半部分が意味なく分断されちゃってます。後半にまったく効いてこない前半のエピソードってのは悲しいです。

 エピソード自体ははてんこ盛りです。つぎつぎに事件がおきるの。そのわりに主人公の主体性がはっきりせず、主人公自身の判断、発想というのは、他の隊長や司令官におまかせされちゃって、いまいち流されっぱなしに見えちゃう。だいたいおまいはどこから給料貰って動いてんだYO、と突っ込んでしまいました。

 うーん、谷甲州氏、「サージャント・グルカ」を積んであるので、そっちに期待か。上下巻あわせて3990円は高い買い物でした。無念。
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2005年02月08日

深夜特急1:読了

深夜特急 先日、「キャパ・その死」を読み始めて、突然こっちが読みたくなり、寄り道。

 冒頭のデリーで動けなくなる件、覚えがあります。若い頃、何をすればいいのか、自分が何者になれる人間なのか。とにかくみーんなほっぽって無為に過ごしてしまった日々。

 はたと周りを見れば、そのまま堕ちていった人もいるし(おいおい)、立派に生きている人もいる。どうやってその沼から抜け出したのか、果たして抜け出すことがよかったのか。

 私の場合はたまたま父の死によって、限りなく現実的な世界にいやおうなく引き戻されたわけですけれども、当時のなにか夢のようだった生活を思い出すときもあります。

 あのまま生きていたら、と想像することは恐ろしくもありますが、ここから抜け出そう!と思って旅立つ心は大切ですよねー。

 そーか、猿岩石が香港からロンドンを目指すのは、これが下敷きだったわけやね、と今頃ひざを叩く間抜け者。
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2005年02月07日

お休みに読んだものたち

レッドサンブラッククロス 昔、仮想戦記というジャンルがありました。いや、今もあるんだけど、実際は大量のクズと、尻切れトンボの断筆状態の名作がほんのわずか、といった感じ。

 後者としては、川又御大とか佐藤御大とかですね。とにかく「ラバ空」と「RSBC」だけはなんとかして欲しいなぁ。横山氏は「レヴァイアサン」のみ評価。孤軍奮闘は谷甲州氏。

 なんとなくRSBCの一巻を読み返してみました。すげーまじめに書いてあるじゃん(笑)。7巻くらいだとソコトラに橋頭堡作るだけで一冊なんだけど、初めはちゃんと世界史作ってたんだなぁ。


C.S.フォレスター で、なんとなくC.S.フォレスターも読み返してしまいました。

 フォレスターと言えば、あの、スタートレックの「ジェイムズ=T=カーク」のモチーフともなったという突撃艦長(笑)・ホーンブロアーシリーズで有名ですけども、この「駆逐艦キーリング」もすげー好き。

 駆逐艦、いいなぁ。本当のふなのりだよ、うん。

金魚屋 大切なことはみんなまんがに教わってきました。

 「金魚屋」、おもしろいです。

 パワー切れずに連載続くといいなぁ。



機動旅団八福神 機動旅団八福神。どーなのかなー。どーなんだろうなー。

 福島聡、わたしは「少年少女」以来かな。

 「絵うまくなってる!」とかいう情報もありましたが、大して変わんない(笑

 二巻以降この勢いが続けば...

 こういうヒキのあるのは、どうなんだろう。ゆるやかな連作くらいの方が合う人じゃないかなーとか。
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2005年02月01日

スローカーブをもう一球:読了

スローカーブをもう一球 「スローカーブを、もう一球 」読了。なんか最近読みやすそうなのばっかしだな。

 山際氏は死去された折にちょっとかじろうと思ってそのままでした。

 世の中にはこれほど知られざるドラマが現実にあったのだなぁと思いました。

 人は誰でも素直には生きられません。傍から見れば、もっとまっすぐで近道な生き方もあるはずなのですが、そのとおりに生きられないからこそ、その人自身の固有の人生が輝くのだと思います。

 昔、家にベーブルースの伝記というのがありました。「克己心」というのがテーマなヤな本なんですが、なぜかずっと読み返していました。

 「ベーブ」というくらいで(Give me upでも豚でもない)、赤ちゃんのような奴なんです。ちょっと調子がいいと天狗になって失敗するの。で、子供心にも、もうちょっとまじめにやれよおい、とおもって読んでいたのですが、今になって、

「人って、そんなに便利に生きられるもんでもないよなー」

という思いに駆られます。それがまあその人の人生なんだねー。


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2005年01月31日

旅するカメラ 読了

旅するカメラ 「旅するカメラ」読了。
OMつながりで、エッセイ本を探していてたどりつきました。

 著者は渡部さとるさんという方で、まだ40台前半だそうです。

 年齢が近いというのか、ハービー山口氏ですとか、赤瀬川氏ですとか、某長徳氏ですとか、割と私の興味とかぶるところはあります。

 さっと読めて、読後感もさわやか。モノクロプリント、やってみたくなったなぁ。

 ところで「OM」というと、みんな遠い目になるんですねぇ。

 やっぱし青春カメラだよ>OMシリーズ


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2005年01月25日

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由 「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス」、やっと読了しました。この頃はがんばって時間を取らないと、本が読みきれなくなってきました。

 最初は「と学会」風のデバンカー本かと思ったのです。しかし内容は非常にハード。

 「フェルミのパラドックス」というのがあります。

 物理学者のフェルミが言い出したことですが、
「宇宙に膨大な数の星があり、一定の割合で知的生命体がいるのなら、膨大な数の宇宙種族がいるはずだが、なぜ宇宙人は地球に来ていないのか」
という疑問です。

 物理学、生物学、言語学、SFに進化論にプレートテクトニクス。
縦横無尽に話題が広がります。

 そして最終的に明かされる筆者の見解とは...

 そのすさまじいエンディングに泣きそうになりましたが、今は本当に地球を大切にせねば、と思いで一杯です。

 「環境を破壊してまったく気にしていないのは、アメリカ人と中国人だ」

と言ったのはカール・セーガンでしたっけ。

 みんなにこの本を読んで欲しいです。

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2004年11月10日

児童書

 昔はね、子供向けにいい本がたくさんあったと思うのです。

 一番与えたいジャンルの本は、「ノンフィクション」です。

 いまどきの書店には、へんな夢と魔法のなんとやらはたくさんありますが、例えば三億円事件ですとか、帝銀事件ですとか、セントヘレナ山の爆発ですとか、ツタンカーメンののろいですとか、タイタニックの沈没ですとか、アリー・セレスト号の失踪事件ですとか、そういうのがわかる本はあまりありません。そういうのは、みんな「学研ジュニアチャンピオンコース」で学びました。B級だとか、今読むと子供だましとか、いろいろあるだろうけれど、私にはこれが心の故郷です。

「世界のなぞ世界のふしぎ」
「あの事件を追え」
「あの犯人を追え」
「あなたも名探偵」
「大むかしのなぞふしぎ」
「世界のなぞ・驚異」
「絵ときSF もしもの世界」
「怪奇わたしは見た死後の世界」
「七つの世界の七不思議」
とか。

 最近の若いのがモノを知らないのは、こういうノンフィクションもののいいのが少ないからじゃないかと思います。本屋行ってもこのジャンルの子供向けのってほとんどないし。

 古本屋さんではとんでもないプレミアがついていますので、学研さんには是非復刻をお願いしたいと思います。

 復刊希望の方は下のリンクから投票してね。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=11167

 こういった子供向けのすぐれたSFジュブナイルというのは、とても読ませたいです。

 いや、ダニィくん、好きなんですよ。自分が読みたいの。

 皆さんリクエストしてくださいまし。

http://www.fukkan.com/vote.php3?no=19040

 新刊では、あんまし良いのが無いんですが、最近岩崎書店が、「冒険ファンタジー名作選」を復刊してくれて、大変ありがたいです。


http://www.iwasakishoten.co.jp/
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2004年10月21日

おそうざいふう外国料理

おそうざいふう外国料理 暮らしの手帖の別冊、「おそうざいふう外国料理」です。我が家のレシピの大部分がこの本に拠っているのですが、昨日帰宅したらこのような状態に...

 どの家でも「おそうざいふう外国料理」というのはこのような状態になっているのではと思います。うちのもそうですし、私の実家のもそうです。もうバラバラ(笑)。

 この「おそうざいふう外国料理」、とんでもないロングセラーなのですが、簡単に本格的な料理が出来てしまうお勧めのレシピ本です。初版1972年って、すごいな。

 コツは、勝手にアレンジしたり手抜きをせずに、書いてあるとおりの材料とやり方で、書いてある通りにていねいに作ること。それだけで本当に誰にでもおいしい料理が作れます。すばらしい本です。料理初心者だって大丈夫。

 会社の女子が結婚したりする時には、私はヘンケルの包丁一式とこの本をプレゼントすることにしています。周りには「結婚する人に包丁はまずいぞ」と笑われますが。

 ところでこれ、どうやって直そう...
 
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2004年10月20日

サムライ・レンズマン読了

サムライレンズマン古橋秀之氏の「サムライ・レンズマン」読了しました。

 ライトノベルには抵抗がないほうだと思うのですが、全部チェックしてはいられないです。
で、この作品は山本弘氏のSF書評本で知りました。

 ちゃんと版権を取っているというので、BMWのミニがミニある程度にはレンズマンなのですね(わかりにくいぞ)。

 内容は...非常に面白いです。

 キムボール・キニスンはじめ、オリジナルメンバーはちゃんと出てくるし、レッド・レンズマンこと奥さんのクリスも顔を出します。キットもいたなぁ。

 「バンザイ」「アリガトウ」のくだりは、まるっきり「宇宙の戦士」におけるズイム軍曹とスズミくんのやりとりですね。そういうくすぐりがちょっとうれしい。

 サムライ・レンズマンことクザクが強いのはそれはまあいいんだけど、やはりいい味を出しているのは、グレーレンズマンことキムボール・キニスンです。本当に骨の髄までレンズマンなのだな。いきなり任務解除しちゃうし。2500人のレンズマン達からの「QX!!」の連呼にもぞくぞくきます。

 むかしちょっとでもレンズマンを読んだことのある人には、とってもお勧めです。表紙で引いてしまわずに、挑戦してみましょう(笑)。

 では、クリア・エーテル!


リンクURL:
http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/020301.shtml

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2004年10月19日

スケールアヴィエーション11月号

スケールアヴィエーション 
スケールエィヴィエーションと思ってたのだが公式サイトではスケールアヴィエーションでした。アーマーモデリング誌にはちょっと批判的ですけれども、SA誌は隔月ということもあるのか、内容も充実していて好感を持っています。

 田中克自氏の「現在の匠」。本当にすばらしいです。AM氏の平田英明氏もそうですが、筆塗りへのこだわりはたいしたものです。なにしろ難しいと言われる銀塗装だってへっちゃらで筆塗りなんですから。

 私も出戻ってからこんにちにいたるまでずっと「エアブラシ買うか?」と迷っていますが、借家人なもんで、排気の問題もあり、実現に至っていません。本来はエアブラシが上級者向けなのではなく、筆塗りで仕上げることこそが高いスキルを要求される上級者向けの塗装法なのです。

 以前やはりSA誌で、田中克自氏がドイツ機のプロペラスピンナのぐるぐるを手書きしていましたが、その技というか様子を伝えようとした編集者が、

「説明のしようもありません。みるみる塗れてしまうのです

と根をあげたということがありました。本当の達人の技とはそういうものなのだろうなぁ。

 「完成品でプラスα」はコピックの紹介。でもMAX塗りの逆(パネルライン沿いでなくパネル内側を暗くする)で紹介していてちょっとにっこり。MAX塗りって実機では見かけないんだよ、あれ。雰囲気があるのはわかるけどね。
でも作例がなぜか第三スチラドゥでちょっと笑った。

 あとアデンがエンフィールド武装開発って知らなかったなぁ。アーマーデベロプメントオブエンフィールド、なんですか?

 どこの雑誌もそうなんだが、読者コーナーで國本某使うのいいかげんやめれ。


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2004年10月18日

アーマーモデリング11月号



毎号購入に入れていますが、そろそろ見切り時かなー。ちなみに毎号購入は他にはスケールエイビエイションと、モデルアートです。MGは内容によりけり(というより表紙によりけり(笑)子供の目に入れられないのも多いので)。

AM誌ですが、昔に比べると、それほどすごいという作例も減り、ちょっと投げやりな誌面です。土居氏もアレだし。

それでも買っているのは平田氏の作例があるから。来月は平田氏のDVDが付くってので、これを見て今後の対応を考えたいと。

AH1の作例、埃まみれ。ちゃんとブロアしてから写真撮れよな。


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