
「戦艦大和欧州激闘録-鋼鉄の破壊神」
なんかヤクザの出入りかと思ってしまいますね。
仮想戦記モノはもう佐藤大輔と川又千秋しか読まないことにしてますが(というか後者は「もう読めない」状態)、この本の作者は、佐藤大輔チルドレンといった感じでもろ影響受けまくりというか、ほとんどパクリ状態です。
日本とドイツ、最近では必ず戦わされてしまう両国ですが、その発端をどこにおくか。佐藤大輔は日露戦争での陸海軍の戦果バランスからはじめてますが(単に乃木嫌いとの説も)、この作者はどこから始めますか。一応説明はありますが、どうも佐藤の真似して付けてみました感が抜けません。いい意味でも悪い意味でも佐藤的。
有象無象の火葬戦記の中ではまあまし、と言った程度でしょうか。一読して楽しむにはいいかな。
ああ、あと日本語の間違いが多数です。内容はともかく校正が出来ない編集者の方は二流確定ですね。秒速500kmの砲弾ってなんだよ。

「サマー/タイム/トラベル1」
鶴田の絵に引かれて買ってしまうんです。もう条件反射だな。
表紙と扉だけでもいいやって感じ。
まだ一巻ということで、評価すべきじゃないかもしれませんが、読むのに苦労しました。
「スカイクロラ」なんかもそうなんだけど、青春SFの一人称語りというのはきついものがあります。やっぱラノベの領域だよなぁ。大人が少年を代弁して書く、という行為自体がかなりいやらしいものなので、そういう異臭を感じさせず、読者の心の青春に反響を起こさせるのはなかなか困難、ということでしょうか。もしこれが青春の踏み絵だとすると、見事に踏んでしまった私です。
どうも「本読み」というものに対してコンプレックスがあるのではないかと疑いたくなるほど全体にわたって意図的に衒学的。中の人、必死でぐぐりながら書いてるんじゃないかって思いました。そういうの感じさせちゃだめだよな。もっとスマートに偉ぶって欲しい。
古今の名作SFを利用する、という点では、「亜空間要塞」とか漫画だと外薗昌也の「琉伽といた夏」(これはサブタイに流用という古典的手口)とか、一杯ありますけれど、どうもこちらのほうはそこまではこなれていない感じ。ぐぐってきてコピペしたわよ感が出てしまうのはなぜでしょうか。
「それはまた別の話」「これは後になってからの話なんだけど」といちいち明示して伏線張るのもどうなんでしょう。しつこいくらいでてくるんですが。ブギーポップあたりに影響されてんのかなぁ。
続巻が出たら買うかどうかは微妙なところですが、まあ鶴田謙二の絵だったらそれだけで買うだろうなぁ。で、なかは辛い、と。しくしく。
posted by delta16v at 08:13
|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
本・雑誌