
吃音症の女の子の話。著者も吃音があるそうで体験に基づいた作品なんだとか。『惡の華』描いた人ですね。
吃音には様々な様態があるのだそうで、主人公の女の子は「難発性」。母音から始まる言葉が特に出にくいんだって。だから「おおしましの」という自分の名前が言えない。ものすごく呻吟しても言えない。だから自己紹介からいつもつまづいてしまう。
うーん、吃音ってこういう感じなんだ?
こういった障碍をテーマにした作品はとかく啓蒙的であったり、啓発的であって、親切なドクターが現れて読者に向かっていろんな解説してくれたりするんだけど、志乃ちゃんにはそんなていねいなケアはない。いいところちょっと勘違い気味の先生が
「落ち着いてしゃべれば大丈夫」
と言ってくれる程度。お母さんだってそれほど真面目には向き合ってくれてない。現実はそんなものなのかもしれないな。
私も子供のころに吃音の友達が居たけれど、親友と言う感じにはなんとなくならなかった。別に敬遠したり差別してたわけじゃないつもりだけれど、彼は今頃どこでどんなふうに生きているのかなあ、とふと思ってしまいました。
吃音についてあまり考えたことがない人に、オススメです!