ここで、そこそこ長い間カメラをやってきた人間として、忘れちゃいけないことをひとつ書いておきたいと思います。
そのうち、みんな飽きるよ、きっと。
今はデジタル一眼レフを買ったばかりで、レンズを何本か買ってみたり、「沼」だとか「病気」だなどと自称してうれしそうに散財を続けている最中かもしれませんが、その熱病のような状態は、数年ではしかのように治まります。
私もいくつかそういう山を越えてきたのでよくわかるのですが、ちょっと合間があいて、ほかの趣味に興味が出てきたり、忙しくなって生活のリズムが変わったときなどが要注意。あれほど四六時中カメラを持ち歩いて、面白い被写体はないかときょろきょろして、日常の全てを撮りまくっていたのが嘘のようにカメラに手を出さなくなります。熱病のさなかにいる人は、想像も出来ないかも知れませんが。
どの程度の間、熱病にうなされるかは個人差がありますし、中には寺に入るまで治らないライカの病に冒されてしまう人もいるかも知れませんが、大多数の一般人はつきものが落ちたようにカメラから離れる時期が来ると思います。
今は市場のパイ自体が非常に大きい上に、カメラブームも始まったばかり。また新規参入者もまだまだいますので業界自体の先行きに問題はないのかもしれません。が、このブームがずっと続くと思ったら、将来を読み損なうかもしれません。
今、楽しく撮りまくっている人には楽しからざる意見かも知れませんが、そもそもこれだけ多くの人がカメラに狂っている現状の方が異常なのです。
しかもネットワークの普及によって、撮影上のさまざまなテクニックや機材の情報は以前よりもずっと早く、安価に手に入ります。デジタル化によって、撮ってから結果になるまでの間のプロセスにも時間がかかりません。従ってその分だけ、飽きるのが早いかもしれないのです。
デジカメ(やそこから逆入門した銀塩カメラ)に飽きること自体はちっとも悪いことではないですし、逆に一生撮影人生を送る方がどちらかというとみっともないのかもしれません。が、盛り上がりまくっている最中に写真やカメラを人生であるとか命であるとか、あまり周りに吹聴しすぎると、あとあと恥ずかしい思いをすることもあるかも知れません。お互い注意しましょう(笑)。
あなたの身の回りに、光の速さでデジタルカメラに飽きた人、いませんか。その人は一歩先を行っている人なのかも知れませんよ。
高いレンズ買いまくっている奴らが、本当にバカに見える。
賢者タイムは表現としてアレですけどw、なんだかすごくよくわかります。ふと冷静になって振り返るとあれは莫大な時間とお金の無駄遣いなんですよね。その時はその時で夢中なんですけど。
私も写真に夢中になっている期間と、距離を置く期間が交互に回ってきます。長野に住んでいると冬場はほとんど写真が撮れないので、オフタイム。春になるとなんだかまだむずむずしてくる感じで、これは長く続いてしまいそうです。たまに自己嫌悪にもなります。いっそ止めてしまえたらとも思いますが...