忘れないうちに書いとかないと。
■八杉将司「Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
屍累々、手のつけられない地雷原と化しているハヤカワJコレクションですけれど、これはまあまあ読めました。
Jコレによくある明らかな不愉快作(笑)ではなくて、その辺は評価しますけれど、のめり込むような何かは感じませんでした。
アイデアとしては割とよくある感じで、宇宙開闢とか言われても、すれっからしのSFものには効きが弱いんですよ。
加速器を使った宇宙作りなら、機本伸司の「神様のパズル
■川端裕人「エピデミック
お盆前にウガンダでエボラがエンデミックだとかエピデミックだとかいうニュースを聞いて、読みました(パンデミックではない)。
エピ、疫学については今まであまり印象がなくて、「ホット・ゾーン
それにしても川端裕人、なんでも書くな。それでいてリーダビリティが高いのは素晴らしいと思います。
■小川一水「トネイロ会の非殺人事件
中編3本。まんなかの「くばり神の記」が一番長く、印象的ではある。
死に瀕した吝嗇な金持ちの体に「くばり神」が憑依し、遺族に気前よく財産を分けてしまうという話。びみょうにカジシンぽい話の運び。三編ともそうだが、徹底的に理詰めで通すのが小川一水らしいところだろうか。
カジシンによくある核心の部分にファンタジーを内包するような運びは嫌いではないのだろうが、体質的に許せないといったところか。そのへんは不思議な世界を構築しながらもわざと「説明しないこと」で独特の世界を形成する三崎亜記のいろいろとか芦奈野ひとしのいろいろなんかと絶対的に違うところだな。どんな不思議な設定も絶対に説明する。してみせる。しかも論理的に。そういう意気込みを感じます。
さすが骨の髄までSF作家。
表題作は「オリエント急行」の逆で、「誰が殺さなかったか」という話。すごくロジカルだけどちゃんと理屈を追って読みたいところ。最近そういう部分を自明のものとしてつい読み飛ばしちゃうんだよ。ハインラインの「時の門」とかね。
■山本弘「トワイライト・テールズ
「MM9
「ハローサマー、グッドバイ
最後の最後に、「気特対」が「科特隊」だったのと同じような仕掛けがあります。あっと驚くタメゴロー(←古い)。
■梶尾真治「ダブルトーン
大好きなカジシンですが、どうも最近好みからずれてきてる気がします。近作だと「壱里島奇譚
「ダブルトーン」は境遇の違う二人の女性が夢を通して記憶を共有してて、という話。悪くはないけど、昔のリリカルな話よりもかなり現実寄りの話で。いっそ初心に帰って泣けるタイムもの(なにそれw)をまた一つ書いてもらいたい気分です。
読んでも読んでも、在庫が減らないですw
Eテレで放送している「神のパズル」とは違うんだね。
ああ、積読は私もたくさんあるのだけれど手にとることもしないです。
読んでも漫画だしなぁ。
頭を使わなくなっちゃうね。
頭突きなら使っちゃうかも。
積読は書籍流を引き起こしたりしてキケンです。
早めに消化しましょう。