そもそもラグビーというのは、アップセット(番狂わせ)が起きにくいスポーツだと思います。
サッカーに比べると点数が入りやすい競技であるために(エンドのライン70mが全部ゴールなんだぜw)、ひとつひとつのプレーが点数に直結し、それを積み上げた結果が勝敗を決めるので、実力差が結果にはっきり出やすいスポーツだとおもうです。
また人数も多いし、役割分担が極端で、しかもかなり細かいので、たった一人の有力選手の活躍だけでは勝ちきれないところもあると思います。全員の総合力とチームワークが問われるわけですね。
従って、野球漫画とかみたいに地方の無名チームが数人の強力な選手(主に投手)を中心として、地区予選を勝ち抜き、甲子園でも成長しながら強豪チームを倒して行く、とかそういう熱血展開はラグビーではちょっと描きにくい。
漫画家の方もわざわざラグビー漫画を描こうという位だからそれなりにラグビー通で、そういった事情をなまじよく知っているがために描きにくいところはあると思います。そうすると弱小チームが血と汗で勝利をつかむ、といっても、目標としては地方の県大会でとにかく一つ勝つ、とか言う辺りになってしまい、展開としてなにしろ地味w。
「アップセット15」は前年に300対0で負けた相手になんとかして勝とうという物語なので、作家もそれはそれは苦労しているんだと思います。番狂わせが起きにくいスポーツを描きながら、それをタイトルに持ってきてるんだから。
二試合目でいきなり宿敵・曽根工業と対戦していますが、それには「ページが足りない」という以前に、そんなに何試合もしてしまうと、こいつらそんなに勝ち続けられる程強くなってんのかYO!という疑問が出てきちゃうという事情があるんじゃないんでしょうか。
でも作家さん、頑張ってると思います。主人公・NZがえりのSOである十津川誠ひとりのチームじゃないことを再三描いていますし、練習して彼らひとりひとりがちゃんと強くなったから勝負出来ているんだということも描こうとしていますから。
まぐれや偶然は何十回もは続かないし、それで勝ち続けられる競技じゃない。番狂わせを起こそうと思ったら、もう実力自体をあげるしかないんですよね。だからそれははっきりいって既に番狂わせではなくなっているわけです。従って描くとしたら
「誰も知らないけれど、俺たちは本当は強くなっていたんだぜ」
ということを描くしかない。練習シーンをもっともっと描けばよかったようにも思いますが、まあそればっかりだと地味にも程があるということになるのかな。だから
「自分たちすらも気がつかないうちに、俺たち強くなってて、自分でびっくり!」
という展開は若干不自然であっても当然の成り行きなのではないかと思います。
帯には「奇跡のアップセット」とありますが、奇跡は勝った結果ではなく、練習の結果、それほどまでの実力を身に付けたことこそが「奇跡」なんであってね。
長野の子供たちにも頑張ってほしいなぁ。
そういえば、漫画と言えば必殺技。既出の必殺技は
「モールテンペスト(15人全員で押すモール)」
と
「セカンドエンジン(真後ろへきたチェイサーの顔面へハンドオフして加速)」
ですか。
消えたり分身したり空を飛んだりはしないけれど、このくらい地味なのがいいのかもね。
でも秋月には試合で真似しないようによく言っときますw
ジョニー・ケイトランドが自信満々に語る
「愚直なものほど楕円球に愛されるのだヨ!」
というのは、
「信じて根を張れ! 楕円のボールは信じるヤツの前に落ちてくる
裏表紙で幸せそうにステップ踏んでます。
現役時代はやっぱりWTBだったのかww
それにしても、NZに帰らなくていいのか!?
アップセット15 3巻でました | 日々雑感II
アップセット15 | 日々雑感II
ラグビーまんが | 日々雑感II
【少年ラグビーの最新記事】
ご存知の方も多いのかもしれませんが、日本とニュージーランドは国土面積とラグビー人口は似通ってるんですね。
ラグビー人口は5位NZ13.8万人、6位日本12.5万人。国土面積62位日本、75位NZ。出典、時期はバラバラですが。
これだけ見ると日本も強化のやり様はあるように思います。
ジャパンを頂点にした国内の組織の再構築が必須と感じざるを得ません。
私論暴論ですが。
NZじゃ国技ですからねぇ。「日本もスモウレスラーをスカウトすればいいじゃないか」とか書かれたそうですが、やっぱり国技だから呼べば引っ張ってこられるという前提なんですね、あっちじゃ。やっぱまだまだ敵わないです。
日本もジュニアからの一貫した強化とかも考えているそうですが、まずは裾野の拡大だと思います。高学年チームも人数増えてきてから練習の質が変わってきた気がしますし、とにかくある程度の人数がいないとどうにもならない気がします。
以前低学年を教えてくれたコーチも、やっぱり小さい子にラグビーの楽しさを教えられないと、すそ野も広がらないし強くも慣れないとよくおっしゃってました。まずは競技人口を増やしたいですねー。
秋月もがんばって営業しているようですが、まだ新人獲得実績ゼロです。来年に向けて営業にハッパかけてます。
そういえばどこかの国に19歳だかで代表に入った選手がいるらしく、
「2019年に僕も間に合うかも!」
とか目をピカピカさせてました。
その意気でカッコいいパス投げてよ!
ふんとに、どうする気でいるの?JRFU様!
簡単な話じゃないけど、強化の方法はあると思う。
既にご存知かも知れませんが、下記URLで
なかなか興味深い事をおっしゃっておられる方が
おいでです。
あの有名なサインプレー「カンペイ」の実践者の
HPです。
もっとも彼曰く「今のカンペイは私達のそれとは
違う」とのこと・・・。
一度見てみて〜!
ttp://feeds.fc2.com/fc2/xml?host=rugbycreator.blog103
あっ!
倅に「4巻貸して」って伝えといてくだはい。
ブログの紹介ありがとうございます。
カンペイって「菅平」なんでしたっけ。長野のチームとしては身につけたい技ですw
以前秋月と必殺技のサインプレーを考えていた時に、「カンペイという技があって」というのは知りました。子供たちは基本的なスキルがまだまだなのでサインプレーなんてずっと先の話ですが、必殺技好きの子供たちの心には「こうループして、敵がこう来たところでクロスして」とか考えるのは楽しいようです。
アップセット15の4巻、次回の練習の時に持って行きますねw