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2011年07月29日

小松左京氏死去

小松左京氏が亡くなられたそうです。
未来を予見したかのような数々の小説を残し、小松左京さんが26日、亡くなった。膨大な知的エネルギーと冒険心に満ち、「ルネサンス的巨人」「人間コンピューター」などの異名をとったSF界の大御所は、最期まで日本の未来を考え続けていた。

 小松さんの秘書によると、大阪府箕面市の入院先で今月24日、東日本大震災について家族にこう語ったという。「この危機は必ず乗り越えられる。日本は必ずユートピアを実現できる。日本と日本人を信じている」

 毎日小学生新聞では、「君たちの時代に〜先輩からの手紙」欄に、小松さんのインタビュー(全3回)を連載中だ。東日本大震災の津波の破壊力について「夢に出てきて、寝小便しそうになるほどのショックだった」(16日付)と語っている。23日付では「本当の学問は、自分の好きなことを一生懸命やること」と子供たちを励ました。最終回となる30日付では、創作の原点となった戦争への思いが語られる。


 しばらく前に震災の件で毎日小学生新聞に出ておられましたが、以前の「でっぷりサスペンダー、黒ブチ眼鏡にくわえ煙草」という印象はなく、ずいぶん痩せてしまわれたなぁという感じでした。胃をやられた後、スリムになられたんだそうです。

 小松左京氏、私の幼少の頃、「日本沈没」でずいぶん怖がらせてくれました。そういう意図はなかったんでしょうけど、当時の世相にはあの五島勉なんかのノストラダムス関連とかで終末感がただよっていたんですよ。世紀末が自分が生きている間に必ず来るのはわかっていたし、公害なんかも多かった。

 光化学スモッグで涙を流しながら、チクロ食ってたんですよ、俺たち。なんとなく世の中全体に滅びの予感がありました。真綿で首を絞められる感じというか。そんなこんなで小学校の頃はすこし辛かったです。

 「復活の日」は、実は映画版はあまり印象にないんですが、やはり小説版の方はショックでした。人類が滅亡する瞬間、ほんの数日であっという間に誰もいなくなっちゃうところ。「自分がいつかどこかで死ぬこと」というのをはじめて具体的に考えたりもしました。高層マンションはやめとこう、とか。とにかく馬のアトキンスはかわいそうですアホーイ。

 あと高校の頃の「さよならジュピター」でとどめかなー。当時「木星太陽化」は科学トピック的にトレンドだったのかもしれません。よくモチーフに取り上げられていたような気がします。

 いや、映画も当時はフツーに感動したんですよ。スイーツ(笑)。
でも後で見るとやっぱなんか変。無重力シーンもだし、特撮もだし、ジュピター教団でしょ。でもやっぱりあの辺、小松テイストだなぁ。

 「首都消失」のモチーフになった「物体O」という作品があります。突然巨大なリングで首都圏が遮断された時にどうなるかを書いた中編。これも大好きです。「首都消失」は首都の外側の話だけれど、「物体O」は外界と連絡が途絶したリングの内側の話です。

 結局、「いろいろな情況におかれた人間(特に日本人)がどうふるまうか」ということをテーマにし続けた作家、だったのじゃないかと思います。「日本沈没」が沈没後の日本人のふるまいを描こうとしたが、日本列島を沈めるだけで1500枚つかっちゃった、というのは有名な話ですし。

 先日の東北大震災を目の当たりにされて亡くなったのだと思いますが、あの時、日本人が取った行動がどうだったのか、じっくり書き込んだ評論なり作品なりを読んでみたかったと思います。

 小松先生、日本人は生きるに値する民族ですか?

 とにかくひとりの巨人がまた世を去りました。

 合掌。


posted by delta16v at 08:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | 本・雑誌
この記事へのコメント
とうとうこの方まで亡くなりましたか。
「ホクサイの世界」というショートショートが今でも記憶に残っています。あの恐ろしい結末が今現実になりそうで。
長編では「日本アパッチ族」が面白くて好きなのですが今では多分差別的すぎて読むことができないかもしれません。

まさに、「巨星墜つ」です。
Posted by 七兵衛 at 2011年07月30日 17:50
永く生きていると、あっち側の方がこっち側よりにぎやかなように思えていくものですね。

ショートショートもたくさんありましたし、ジュブナイルも書いてくれました。

「くだんのはは」なんて余りに怖くて、高校時代に一度読んだきり、二度と再読出来なかったものもあります。

もっといろいろ書いて頂きたかったですが、日本沈没の続編も共著となりましたし、体力的にきつかったのでしょう。

お疲れさまでした。
Posted by delta16v at 2011年08月01日 08:26
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