「アフターバーナー」というのは、ジェットエンジンのお尻についていて、熱い排気の中に更に燃料を吹きこんでパワーを増幅する装置です。バーナー・オン!と叫んでスロットルを押しこむと一気に燃料流量は跳ね上がり、パワーがもりもりわいてくるという素敵デバイスですね。
航空祭でもA/B使うとエンジンの排気口がボッと赤く光るのですぐにわかります。ちなみにGE製のJ79ですと、
推力: 通常時 11,905 lbf (52.9 kN); アフターバーナー時 17,835 lbf (79.3 kN)だそうですからパワーが1.5倍にもなるようです。
蛇の目ファンとしては(だったのかw)「アフターバーナー」のことを英国人が「リヒート」と呼んでいるのはもともと知っていました。地下鉄はチューブ、エレベーターはリフトなのです。よくある英国人のこだわりだと思っていましたが、ぐぐってみたら意外なことを発見。
この「アフターバーナー」、どんな漫画や小説や映画でも「アフターバーナー」と表記・呼称されていますが、Wikipediaによりますと、
アフターバーナーという名称は、本来GE社によって商標登録されている為、同社のターボジェットエンジンに装備されている物のみを指し、MIL規格によると、この装置の用語としてはオーグメンター(augmentor, 推力増強装置)を用いるのが正しいとされる。なんだそうです。またもやGEの登録商標ですってよ。それにしてもGEの商品名命名部門、素晴らしすぐる。
また、ロールス・ロイス社のジェットエンジンにおいてはリヒート(reheater, reheat jetpipe, 再燃焼装置)、プラット&ホイットニー社はオグメンタ(augmentor,(推力)増強装置)という言葉が用いられている。
GEのエンジンというと、よく見るのはF-4EJに積まれているJ79ですね。これはGE製品ですので「アフターバーナー」でOK。神栗の680号もA/Bでセーフです。よかったな神田。
結論として空自の戦闘機で申し上げれば、ファントムライダーとF-2チャーマーは
「アフターバーナー全開!」
て叫んでもいいんですが、イーグルドライバーは
「オグメンタ全開!」
て叫ばなきゃいけないということになります。ほんとかよ。でもミルスペックがそう言ってんだそうですよ。
現場ではぜったい区別してないに決まってる、と勝手に思い込んでいますが、是非その辺の事情をパイロットに聞いてみたいものです。
メーカーのマニュアルで整備をしているメカマンはどうなのよ、とかはすごく気になる話ですね。こんど小松行ったら聞いてみよう。
そういや、セガの「アフターバーナー」はP&WのTF30を積んだF-14が主人公なんだから、「アフターバーナー」はもろにまずいじゃん。「オグメンタ」に改名か。いや、実はあれはGEのF110に換装したF-14B/Dだったんだよ、というオチならすげぇ。
ちなみに英国のRRと言えば、ユーロファイター・タイフーンが搭載するユーロジェットEJ200が近作ですけれど、これこそが「リヒート」なんですね。
英国人はリヒート全開。
よーく覚えておきたまえ。
【飛行機・ミリタリーの最新記事】
P&W系ですが工場ではステージと呼んでいます。
アイドル→ミリタリ→Go Gate!→ステージミニマム→→ステージ5(またはMAX)
たぶん現場でも「Set Power STAGE MAX!」などと言っているのではないかと...
GEではステージの代わりにフェーズでしたけどね。
また遊びに来ますです。
>Aki@Square様
情報感謝です。
「ステージマックス」ですか!すごい。知りませんでした。
米軍では「Go gate Now!」なんてコールするとかいうのは聞いたことはあるんですが、これはようするにオグメンタ作動開始ということなんですね。よくわかりました。
とりあえず「Burner On!」とか「AB!」とかはよく漫画などに出てきますが、ちょっと俗っぽすぎる娑婆の認識みたいですね。
勉強になりました。ありがとうございます。
>あじゅ様
私も知らんことばかりで、目からうろこが落ちるばかりの毎日です。
まだ言ってるしwww
ステージマックスは、どこかで聞いた気がしていましたが、記憶があやしくて。
学習させていただきました。
あれは日本では三菱の商標でしたね。
無限軌道の一般名はクロウラー、でしたっけ。
これから子供の運動会の度に
「ステージマックス!」
と叫ぶ父親になりそうです。
パワーミリタリーくらいで願いたいですねーw