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2010年08月17日

河口湖自動車博物館飛行館

零式艦上戦闘機21型 ああ、やっとたどり着いた。飴色の零式艦上戦闘機21型。すごくきれい。新品そのままです。動くエンジンつけて空に帰してやりたい感じ。

 モデラーまなこであちこちのディテールをしつこく眺めまわしてきましたが、いやあ、いつまで見ていても飽きません。はっきりいって家族、邪魔w

零式艦上戦闘機52型 零式艦上戦闘機52型です。濃緑色でなにか哀愁を感じます。スピンナーとプロペラの茶色がいいよね。おれも帰ったら扇風機の羽に黄色いテープ貼るぞ!

 エンジンはすごくきれい。帰ってきてから知ったんですが、あのエンジン、回るんだね。飛ぶところまではいかないようですが、ちゃんと爆発する栄ってすごいよ。回すとその後の整備が大変で、回さないでいても整備が大変とか聞くと、なんだかどこかのイタ車みたいな感じです。まあモノがモノだしね。

 ところで、帰ってきてからコメント欄で暴力型原子力潜水艦「あじしお」様に
星型エンジンの構造
というサイトを教えて頂きました。

 これで幼い頃から持っていた、
「栄も誉も星型複列14気筒とか星型複列18気筒とか、なんで単列辺りは7気筒とか9気筒とかシリンダー数が奇数なんですか。360度を割り切れないじゃないですか。V型は90度Vとかで振動軽減するらしいのに」
というおこちゃまな疑問が一気に氷解してしまいました(9気筒は40度で割り切れるけどね)。

 以下の部分です。
 上記のようなコンロッドとクランクシャフトの結合形式のため、気筒は時計回り、または反時計回り(以下、便宜上、時計回りに統一)に順番に爆発していくことになる(厳密な表現をすれば「気筒内で混合気が爆発する」となるが、これでは表現が長くなるので、ここでは、これも便宜上「気筒の爆発」と記述する)。一番上に位置するピストン(図2でいくと主コンロッドに連結されるピストン)が上死点に達した後、時計回りに回転すると、次に上死点に達するのはその右隣の気筒となるからである。ただし、時計回りに一気筒ずつ爆発してしまうと1回転、つまり360度で全ての気筒の爆発が終了してしてしまうことになる。これでは、4サイクルエンジンの「1つの気筒は2回転で1回爆発する」という基本原則が達成されなくなる。このため、実際には一つ飛ばしで爆発させることになる。
 これを図にしたのが図3である。
 最初に基本として、1つの気筒が爆発して次の気筒が爆発するまでにクランクシャフトが何度回転するかを表す「爆発間隔」を説明すると、これは2回転にあたる720度を1列あたりの気筒数で割ればよい。1列あたり9気筒のエンジンでは80度になる。つまり、ある気筒が爆発してから次に爆発する気筒は時計回りに80度先にある気筒となる。
 図3を例にして具体的に説明してみよう。図は9気筒エンジンのみを表現してあり、真上の気筒が1番気筒、ここからから時計回りに順に9番気筒まで存在する。これに合わせて、図では@からHまでの数字をふってある。
 まず最初に、1番上に位置している1番気筒@が爆発したとする。次に爆発する気筒は時計回りに80度先にある気筒だから、Bとなる。その次は、さらに80度先にあるD、その次がFで、次にH、ここで1周してAとなり、この順番で最後がGとなって、また@に戻る。
 つまり、720度回転した後に再び同じ気筒を爆発させるためには、気筒を1つ飛ばしで爆発させる必要があるということで、これが、星型エンジンの1列あたりの気筒数が奇数である理由である。

 星型エンジンのコンロッドとクランクシャフトのすてきにカッコいいつながり方もわかりましたし、SSNあじしお様には、海より深くご指摘感謝です。

エリコン20mm エリコンの20mmを国産化した99式20mm機銃。この20mmこそが零戦のアイデンティティなのかもしれません。用兵者は7.7mmを多用したとか聞きますが、後の世では零戦と言えば20mmとして記憶されています。

 M2ブローニングがあったら強力だったろうなぁとか、マウザー20mm(MG151/20)をたくさん輸入せいとか、そういう夢想をしながらほとんどさび止め塗装の塊と化した20mmを眺めます。

一式陸攻後部胴体 一式陸攻の後部胴体です。非常にきれいにレストアされていました。

 この日の丸のところに出入り口があって、国籍標識を通って出入りすることを陸攻乗りは誇りにしていたんだとか。

 雪風に教えてやったんですが、ふうん、だって。


一式陸攻前部胴体 前部胴体は多分新品なのだろうけれど、このようにキャンバーのけがき線が入っていました。

 これ主翼も新造してくっつけるつもりなんだろうなぁ。いったいどこにパークするんだろう。

 ハンガー建て増しなのか。

F-104栄光 自衛隊の払い下げ機体がたくさん屋外展示されています。思ったよりきれいです。これは自動車館の屋根の上に置かれたF-104「栄光」戦闘機。

 最後の有人戦闘機ですね。めずらしいDJ型だ。複座かっちょいい。

F-86ブルーインパルス ハンガーの裏手にはT-33「若鷹」と並んで、F-86F「旭光」戦闘機。こだわるなw

 ブルーインパルス塗装です。私自身は実はハチロクブルーってのは飛んでいるところを見たことがなくって…。

 しかしながら80年代初頭に航空ファンという素敵雑誌を知るまでは、「戦闘機の写真」なんてそれ自体お宝にするようなものだったので、ハチロクのブルーなんて見たことあれば自慢だよね。

 ところでこの#960は正しいのかな。

C-46「天馬」 ここまで来たから、これはもうC-46「天馬」。コマンドでもいいけど。

 こういう尾輪式の輸送機ってなんか雰囲気あっていいなぁ。使い勝手は悪いんだろうけどね。「カサブランカ」とか古い映画で斜めになった飛行機に乗り込むシーン、あるじゃないですか。いいよなぁ、ぽわん。

 横須賀で始まって、河口湖で終わる家族で巡るミリタリーな家族旅行は、これでおしまいです。

 ああ、楽しかった。
posted by delta16v at 18:51 | Comment(5) | TrackBack(0) |
この記事へのコメント
零戦はやっぱりかっこいいです。

竜ヶ崎飛行場で、アメリカから飛んで来た零戦の飛行が、たまらなく最高でした。

栄エンジンの乾いた音が忘れられません。

すごく綺麗にレストアされてますね。


当時の優秀な産業遺産であり、動態で保存維持して、後世に引き継ぐべきなんですが、兵器と言うことで、つべこべ茶々が入るんでしょうかね。
靖国参拝より重要ではないかと、個人的には思います。
Posted by キハ55 at 2010年08月17日 20:21
おお、21型まであるんですか。52型だけと思っていた。。。
私が常連だった頃は、F86Fが今のF104のポジションにありました。

ああ、行きたいよな、河口湖。
でも、あまりにも遠くなっちまったぃ (>_<)

さて、ちょっこし真面目なコメも(笑)
いつの時代でも同じですが、兵器は常に最新と最高の技術を持って作られるものです。
これはとっても逆説的なのですが、その時代の工業の技術水準を測るには、兵器を見るのが最もわかりやすいと思います。
そして、戦時中に開発された航空機や船舶は、戦後の復興期にどれだけ技術的貢献を果たしたか、計り知れないほどです。
キハ58様のご指摘の通り、この時代の航空機や船舶技術を、もっと冷静かつ客観的に評価することが、大いに必要と思っています。
でないと、大きな歴史の一ページに空白が空いてしまいますから。
Posted by みじぇきち at 2010年08月17日 21:47
英国なんかでは、やっぱり古いものは大好きのようでフライアブルなスピットとかハリケーンとかたくさんいそうですね。ミニのパーツだって信じられないようなものが出てきたりするし、やっぱその辺は文化なのかな。

これらの零戦も結局は個人の趣味で復元をしているわけで、それはそれで大変偉いと思いますけれど、文化としての裾野はまだまだなのかな、とも思います。こういう突出した人が大きな仕事をしてくれているけれど、あんまり依存しちゃだめだよね。

みんなで守っていきたい文化でもあると思いました。そういえば遊就館の零戦も河口湖でレストアしたのを貸し出しているみたいですね。

零戦のメッカです。
Posted by delta16v at 2010年08月18日 08:15
おお!行かれたのですね!
私も16日誘われていたのですが、親戚大集合であえなくアボートしました。
一式陸攻思った以上にすごいですね。
無理しても行けば良かったかなと…
Posted by YAS-3 at 2010年08月18日 10:20
てっきり後部胴体だけ置いてあるのかと思って行ったんですが、前部胴体も新造されていました。

これが葉巻かぁ、と「撃てば火のつく一式ライター」などと揶揄されていたなどということをつくづく思い返してしまいました。
Posted by delta16v at 2010年08月18日 17:53
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