日々雑感II Top > 本・雑誌 > 宇宙旅行はエレベーターで

2009年02月02日

宇宙旅行はエレベーターで

宇宙旅行はエレベーターで」読了。

 作内では「宇宙エレベーター」と表記されていますが、ここでは
やはり昔ながらの「軌道エレベーター」と呼びたいと思います。

 軌道エレベータとは、宇宙までケーブルを張って、エレベーターで宇宙まで行こうという計画です。空想の産物というか、もう何百年もかかるものだと思っていましたが、近年、カーボンナノチューブの発明により一気に現実味を帯びているのだそうです。

 昔は、地上から積み上げていくのか、宇宙のなにかからつりさげるのか、と思っていましたが、要するに地球にボールをつけて振り回すように、若干のアンカーとケーブル自体の慣性でケーブルはぴったりと張りつめ、天からケーブルが落ちてこないといいますから、実に不思議なもんですね。

 とはいっても「トップをねらえ」に出てきた箱根のロープウェイみたいな「軌道ロープウェイ」ってのは、ウソですからー。

 軌道エレベータというと、初めて知ったのは何だったか。うーんと、定番のA.C.クラーク「楽園の泉」じゃなくって、意外にも「超時空世紀オーガス」だったような気がします。全然意外じゃないぞ。

 本書で驚いたのは、設置可能な場所が赤道上の静止軌道だけではなくて南北35度まで可能、とかそういうことじゃなくて(と書くということはつまり驚いたんだなw)、

「一兆円あれば軌道エレベーターが一基作れる」

というところです。

 えー、そんなに安いのーーー?円高の今、特にチャンスなのかも!

 定額給付金の二兆円があれば、二基作れるじゃないですか。この二基の軌道エレベーターで日本が宇宙に覇を唱えることが出来ると思えば、これは安いでしょ。作るしかないでしょ。

 経済的にいえばですね、なんで実現しないのかと思っていた太陽光発電衛星。「未来少年コナン」に出てきた太陽エネルギーってやつですね。あれが実現できます。今はレーザーのビーミングやマイクロウェーブでの送電も出来そうですから、なんでさっさとやらないのかと思っていましたが、どうもそれだけの太陽光パネルをロケットで宇宙に上げていてはコストが引き合わないのだそうです。

 軌道エレベータが実現すれば、この太陽光発電衛星が低コストで量産可能可能になる、と思えば、これだけでも建造する経済的な理由になると思いますよ。ちゃんと建造できれば絶対に儲かるってば。オイルダラーも真っ青だな。

 現在の技術的な問題としては、カーボンナノチューブによるケーブルの商用利用というか、大量生産技術だそうです。強度ももう少しというところだそうですが、この辺はお金をかければそう遠からず実現しそうですし、どこかが建造に乗り出さないかなあ。

 作中では、ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットとかその辺の金持ちが思いつけば、作れそうに書いてありますから、「夢」や「理想」といった概念的なものではなく、現実の経済的な必然性から建造されるかもしれませんね。

 人類は、「宇宙」に進出する? | 日々雑感IIでは、悲壮な決意がないと宇宙に行けないような雰囲気ですが、本書を読むと、おう、いつでも誰でもいけるじゃないの!と明るい気分になります。

 しびれる一冊でした。

posted by delta16v at 12:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | 本・雑誌
この記事へのコメント
へぇ〜〜〜〜っ!

時代はもうそんなところにまで来ていたのですね!!

凧の無い凧揚げみたいですね。
Posted by 銀色。 at 2009年02月04日 18:46
わたしもびっくりしました。宇宙エレベータなんて夢物語と思っていたんですが。

夢や希望のレベルから、現実的に経済の問題として宇宙が語られることには、なぜか一抹のさみしさもありますけれど、自分が宇宙に行けるかもしれない可能性がちびっとでも上がるのには大歓迎ではあります。

定額給付金、いろいろなところが狙っているようですが、こういうところに投資してくれないかなぁ。まあ潤う産業に偏りがあるのかもしれませんが、成功すれば巨額の経済的メリットがありますし、建造にはH2Aも大活躍できますしね。
Posted by delta16v at 2009年02月05日 07:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/26192738

この記事へのトラックバック