
なんたって「神狩り
「神」を「狩る」のは難しい。人間と対等な存在まで「神」を落としてしまえば、それはもうただのエンターテイメント小説というか火葬戦記に過ぎないよね。あくまでも人間からは理解不可能な高次元の存在である「神」を「狩る」ところに「神狩り」の持つ凄味があるのだな。
構成もちょっとよくわからない。冒頭の天使が攻めてくるところ、F-2が天使に撃破されるんだけど、あれこそ二流の火葬戦記じゃないのか。うーん、どういう意図なんだろう。その辺がちょっと。
あー、あと、神の思考と人間の思考をVistaとMS-DOSに譬えるのは、比喩としてどうかと思うよ。言いたいこと、表現したいことはすごくわかる。でもこのメタファはおそらくあっという間に陳腐化してしまうのではないか、と人ごとながらちょっと心配。数年で「ほら風化した」と笑われやしないか。
もうちょっと最後の方はページがほしかったような気がします。真中過ぎから、残りページが薄くなるにつれ、まとまるのかどうかハラハラしました(笑)。前半から中盤にかけて削ってくれればよかったかもね。もっと70年代っぽくしてもよかったのになぁ。
2もの、二世ものがたくさん出回っています。そういったもののなかで、「続編」として「神狩り」とセットで、ちゃんと読める長編でした。
それにしてもここんとこ「エリ・エリ