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2006年12月12日

知っておきたいスナップ写真の「ルール」

1040332.JPG スナップ写真における「肖像権」については以前から気になっていました。こんなの撮ってもいいのかなぁ、とか、これ、いい写真なんだけどWEBに載せるとまずいのかなぁ、などと気になることもたびたびです。
 で、その辺の事情を調べてみることにしました。覚書としてここに残しておきます。

#個人情報の面からでなく、あくまでも肖像権の観点からなのに注意。
#最近ではその辺の事情が異なるのじゃないかと思います。

 ぐぐってみると、アサヒカメラの2004年1月号にそのものずばり、知っておきたいスナップ写真の「ルール」という記事があることが判明。早速ブックオフにて入手しました。古本とはいえ、200円とはすばらしいぞ、ブックオフ。

 で、わかったこといくつか。引用と孫引きだらけです。

「肖像権」は一般市民にも浸透している権利と思われますが、意外にも肖像権を規定した法律は日本にはないのだそうです。したがって実際の定義や運用は裁判の判例として蓄積されたものを基準としています。

 1969年の「京都府学連事件」の判決で出た、
「個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容貌・姿態を撮影されない自由を有する」
という判例がそもそもの出発点である由。

 上記は刑事裁判の規定であって、民事上の規定はまた別だそうですが、実際にはいまだに判例がないので、法律学者たちの各種学説による規定のみだそうです。ようするに運用ってわけですね。民事上は「肖像権」と「表現の自由」(これも法規定はない)の権利の衝突があって、事情は複雑だそうです。

 この「表現の自由」というのは写真家サイドの権利で「黙って撮影したものは全て肖像権侵害とするのは不合理」とするものが多いのだそう。確かに写っている全員の承諾を得ないといけないのなら、雑踏のスナップは不可能ですし、報道写真だって事実上不可能になってしまいますね。

 そこで、「肖像権」をどう考えるか。学説では、
・まず私的生活領域と公的生活領域を区別し、私的生活領域に踏み込んでの写真撮影、掲載はすべて「みだりに」に該当。
・公的生活領域では、一般人が通常取らない姿態や撮影・掲載を好まない要望の撮影・掲載は「みだりに」に該当。
という説が。割とわかりやすいですね。
 要するに個人を特定できるもの、変なシーンを撮らないことが基本。そんなのマナーの基本ですし、私としては全然異論はありません。

 この規定にしたがうと街角でのロングのスナップが可能となります。ただし変な顔をしているところをピックアップして撮るような行為は、本人の承諾がない限り違反、ということですね。まだグレーなところたくさんありそうですが、とりあえずスナップ時の判断には使えると思います。要するに自分が撮られたら嫌なポーズは撮らないってだけで、まあ当たり前なのかな。

 アサカメの記事には、「こういうシーンはアウトかセーフか」という例がたくさん載っていますが、横にカメラマンの判定と弁護士の判定が載っています。たとえば電車で寝ているサラリーマンって撮っていいのか、あるいはお店の売り子はどうか、スタバの外で茶をしているにいさんは、お祭りで飛び跳ねているねぇさんはどうなのか。ああ難しい。

 例として上がっているカメラマンと弁護士、その二者の間でも見解の相違があるようですから、実際に難しい問題なのだと思います。とりあえずは「変なシーンをアップで撮らない」「アップで撮る時は声をかける」といった基本的なマナーに忠実に撮影したいと思います。

追記

当該記事が新書になっていました。非常に参考になりますのでスナップ写真を撮られる方で、肖像権が気になる方は、ご一読されてはどうでしょうか。
posted by delta16v at 07:52 | Comment(2) | TrackBack(0) | カメラ・写真
この記事へのコメント
権利と自由のバランスって難しい問題ですね。
肖像権って報道機関や公人の間での話だったのに、ブログやSNSで画像を公開する機会が急激に増えている現在、ある程度の指針みたいなものが必要かもしれません。

ほんとは法律が介入するんじゃなくて「マナー」と「良心」で解決できればいんですけど...。
Posted by maro at 2006年12月12日 10:31
権利と自由。どっちも大事ですね。

「肖像権」なんて、昔はプロの問題だと思っていましたが、なんでもすぐに世界に公開できる現代では、それぞれが自分の問題として考える必要があるようですね。

法整備、というのも大事ですが、こういった現状を知らしめる努力というのも大切だと思います。そう考えるとこういう特集記事を組んだアサヒカメラも偉いなぁと思います。
Posted by delta16v at 2006年12月13日 08:28
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