ウルトラセブン#8「狙われた街」の正式な続編だそうです。
#ネタバレあり、注意。
北川町で、突如、人間が暴れだす事件が頻発。調べてみると40年前にも似たような事件があって...ときますから、まさに続編です。サブタイトルで大体想像はつきますが、現在の人間社会の堕落を見たメトロン星人が地球を侵略せずに去るお話。
うーん、あのカメラワークはやっぱりサービスなんでしょうね。もう様式美というかお約束。ああいう風に撮らないと周りから苦情出ちゃうんだろうなぁ。
それにしても寺田農だよ。小学生の頃、岡本喜八の「肉弾」を見て以来、私にとっては怪獣そのものみたいな人です。すげーよ、ナイスだよ。あ、だからといって小学生に「肉弾」とか「吶喊」とかを見せると人生がひんまがるので、よしたほうがいいです。
それにしても突然オンエアで寺田農のジャンケン見せられた平成の子供たちは閉口しただろうなぁ。
メトロン星人が通っていくあのお寺、あれはアンヌのおじさんのお葬式やったところなんだろうな。あの工場はどうだろう。昔、土管を積んであったあの空き地なんだろうか、と想像すると楽しいです。
セブンのアイスラッガーで真っ二つにされたメトロン星人を助けてくれたのは、まるっきり高山良策ふうのおじさんでしたが、あれ、もろに高山良策役だったのだろうか。シーボーズとかメフィラス星人とか吊ってあるし。雪風は大喜びだったな。昔のフィルムもかなり使っていて、最近のデジタルビデオとの違いがよくわかります。というか、昔のDVDばかり見ている我が家の人々にとっては、「ウルトラマンマックス」の地のぬめぬめしたデジタル画像の方がブキミ星人だったようですが。
あのおさるがキャアキャア言っているのは、ウルトラセブン44話「恐怖の超猿人」からの頂きなんだろうな。
で、本筋です。
それにしても「狙われない街」か。
基本的にコミニュケーションの話だと思うのです。ウルトラセブンでは、「善悪の判断を出来なくして、人間と人間の間の信頼を破壊する」ことで地球を侵略しようとしたメトロン星人でした。エンディングの「でも安心してください。これは未来の話です。なぜって、我々人類は、それほどお互いを信頼しあっては居ませんからね」というナレーションがショッキングだったわけですが、実際の未来はまさにその続編だったということですね。現実が話のオチそのものにもなっているという構成。
携帯電話を始めとする各種ツールが発達して、システムとしての有用性は向上したにもかかわらず、人々のコミニュケーション能力は逆に低下している、ということが主眼なのでしょう。
象徴的なのは、主人公(変身するひと、名前がわからない笑)とメトロン星人との対話のシーン。なにしろサブタイトルが対話宇宙人ですから。
メトロン星人は地球人が侵略に値しない理由を一生懸命説明しようとしますが、主人公にはまったく伝わらない。というか若者側にそれを理解する姿勢がない。「なんでもいいから、とにかく地球から出て行ってくれよ」とそれしか言わないのです。ダンだって物分りのいい方じゃなかったけど、今回はなにかこう根本的にかみ合っていない感じがします。その分メトロン星人側の対話に対する努力というのが痛々しいです。お茶まで出しているのに。
すべての若者がディスコミニュケーションであるということじゃないと思うのですが、実相寺監督は象徴的にそう描いたのですね。うーん。
「携帯電話が問題じゃない、問題は電波なんだ」というセリフも象徴的です。ハードウェアが問題なのではなく、メディアとその使い方、付き合い方でよいツールにも悪いツールにもなる、ということでしょうか。
私の周りにも情報リテラシに関する諸問題があります。基本的には対人コミニュケーション能力に帰する問題が多いように思いますが、とにかく身近なものからひとつづつやっていかないといけないです。まずは自分がしっかりして、子供をちゃんとした人間に育てることでしょうか。がんばんないとなぁ。
言いたいこと言って、最後に寂しそうに手を振って去っていくメトロン星人が、監督の後姿とだぶりました。
実相寺監督。よい未来が来るように、私は努力したいと思います。
メトロン星から見守ってくださいませ。
どんな家風ですか?ソレ(笑)
今やDASHがアルファに発注する時代ですもんね ^^
「あのポインター、アルファだ!」
と叫んでいました。よくわかったな。
週末は、ガッチャマンみて、ズバットみて、ウルトラセブン見てから、未来少年コナン見てます。
フルコースです。
父と母は子供が寝静まった後、こっそり特攻野郎Aチームと七瀬ふたたびを見てしまいました。