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2008年10月10日

遠すぎた星

 「遠すぎた星 老人と宇宙2」読了。

 じじいに機械のからだをタダで若者の体をタダで与えて、そのかわりに兵隊にするという「老人と星」の続編。邦題は当然「遠すぎた橋」から頂いていますね。原題は「The Ghost Brigades」ですから、内容に合っていないじゃないか!と作者を責めちゃいけません。一作はよかったが、柳の下にどじょうは何匹までいるのでせうか(ちなみに前作の「老人と星」だって原題は「OLD MAN'S WAR」ってそのまんまなんだから、非難するとしたらこれは編集者の責任だろう)。

 今回はじじいの出番はなくって代りに前作にも出てきたゴースト部隊こと特殊部隊が主役。かのサンリオSF「ベストSF1」に入っていたキース・ローマーの「最後の指令」に入れ込んだ私には「ゴーストブリゲイド」の方が燃えるんですが...ブリゲイド、いい響き(そうか?)。

 ただし「戦争SF」というふれこみで思うほど戦い続けるわけではなくて、どちらかというとスペキュレイティブな作品です。そういうのが読みたい人はジョー・ホールドマンの「終わりなき戦い」とか古典のハインライン「宇宙の戦士」を読むべきですサー、イエス・サー。あ、小川一水の「時砂の王」もいいかもしんないな。

 死者のクローンで作られた特殊部隊。人の魂と自意識がテーマで神林ファンはちょっとうれしかったり。「自分で選択すること」が魂の実証であったりする辺がいかにも西洋風。

 ディラックの台詞がいいんですよ。矢野徹調じゃないところがいい。
いまならいえます。ぼくは自分が何者か知っています。
ぼくはコロニー連合特殊部隊のジェレド・ディラック。
そのつとめは人類を救うこと。
うーん、泣ける。

 あの最後の通信は「僕は人間だよな」という「雪風」にでてくるトマホーク・ジョンの自問へのひとつの回答です。我々は「人間とは何か」という問いにこれだけ堂々と答えられるんでしょうか。例の901ATTにいたオーランド伍長の「所属部隊は陸情3課パンプキン・シザース!」って叫びに通じるものがあって、ぐっときました。

 日本人だったら「統合」による精神の一元化っていうモチーフは、絶対エヴァのアレ、人類補完計画とかを連想するだろうなあ(つーか、したw)。もしかするとリスペクトなのかもしれないが、普遍的なテーマでもあるのかもね。

 表紙はイケメンにーちゃんかと思ってちょっとびびりましたが、もしかしてかっこいいおねー様、セーガン中尉なのでせうか。

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posted by delta16v at 08:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | 本・雑誌
この記事へのコメント
ジェレドはイイ奴だと思います、うんうん。
Posted by seth at 2009年09月11日 16:48
自分が何者かを知っている奴は、いい奴ですよね。
同感。

いじめちゃだめだよー。
Posted by delta16v at 2009年09月12日 07:52
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