
で、世間話をしていて「秋月君はなんで県外に行かなかったんですか」と聞かれました。
奴はラグビーは誰よりも好きだけれど、もともと才能ないし下手だし体も小さいし弱いから、県外の強豪校に進むと言う進路がもとからなかったんだけど、それ以外に
「小学校の頃からずっと練習してたこの長野高校のグラウンドで高校ラグビーをやりたい」
という希望も彼の中に少なからずあった様に思います。彼はラグビーアカデミーが創立される前から、このグラウンドで社会人がやっていた練習に混ぜてもらって、金曜の夜はここでずっと練習していたのですね。
あと雪風と同期の柔道君の二人が、このグラウンドで二人きりで練習し続けてたのが妙にストイックでかっこよく見えた、と言うのもあったのかもしれないな。
アカデミーのコーチが長野工業と長野高校のグラウンドを交互に使うのは、多分そう言う理由もあるのだと思います。普通科の高校進学を希望する中学生には、工業高校という実業系の高校にラグビーだけの動機で行く、という選択はなかなか難しい。やっぱり普通科の高校でも高校ラグビーができる、という環境も作っていかないといけないのです。このグラウンドでいつかラグビーをやりたい。そう思ってこの高校を受験する子が出てきてほしいと思います(ちなみに県内随一の進学校w)。
長野市のラグビーを盛んにするには、県外で腕を磨く子が出て欲しい一方で、市内の普通の高校で普通に部活としてラグビーを楽しめる環境も大切かと思います。だから秋月はそういう普通の高校ラガーマンのモデルケースとして、一番普通で一番肝心なところを負っているのかもしれません。
秋月たちは合同チームで試合に出ていますが、どんな高校でも全国レベルの強豪校以外15人揃えるのが困難な今、このような半分クラブチームのような「地域の合同チーム」が増えていくのは時代の流れだと思います。それでも高校ラガーマンにがんばってもらいたい大人は合同チームを応援し、支えていかなきゃいけないんだよね。
秋月たち合同チームがこれから強くなり、単独校と互角に渡り合えるようになること。それはとても大事なことです。
その活躍を見た中学生が、
「僕も高校生になったら市内の合同に入って、いつか県大会で単独校を負かすような活躍をしたい」
とあこがれを感じるような存在になってほしいと思っています。
難しいとは思うけれど、挑戦しないことには始まらないのでね。
ちはやはそれでも「ぼくたちが高校生になったらみんなで合同を組んで、県内一位になって、県一位なのに花園に行けないってラグマガに特集組んでもらう」と妄想を広げてますよ。
いま、この長野高校のグラウンドを走る子のなかの何人かが、将来、長野市合同チームで活躍することを願ってやみません。
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