ここのところ新型デジタルカメラの推奨と銀塩フィルムカメラのお勧めが交互どころか、同一号のなかで混在している。編集部内も混乱しているのだろうか。中でも赤城耕一の右往左往ぶりは、見ていて気の毒なほどだ。
先月号は「モノクロがあぶない」という特集で、モノクロ自家処理を残そうという特集の直後に PX5500で初めてモノクロに満足できるプリンタができた、これでデジタルも万全などという特集が並んでいるのだから、その迷走具合はただごとではない。
今月号は田中長徳までアサカメに出張してきている。デジタルとライカを飯の種にしている田中にとってはM8は稼ぎ時なのだろうなぁ。
まあ要するに読者層が絞りきれていないのだ。いやもしかすると読者自体が行く末を絞りきれていないのではないかとも思う。
ハイアマチュアという謎のカテゴリーがある。カメラというのは不思議な世界で、機材に民生用と業務用という区別がなく、プロとアマチュアがまったく同じ機材を使うことが出来る。したがってプロと同等の機材を使って作品作りをする「ハイアマ」と呼ばれる人種がいるのだ。
昔からのハイアマな読者は果たして本当にデジタルへ移行するのか。世の中の最近カメラを始めた人からは想像もできないかもしれないが、そんな今更な問題に老舗カメラ誌は悩んでいる。
プロがデジタルへ移行するのは明白だ。そのコストメリットと利便性は圧倒的だからだ。ただ、月刊誌の購買を支えているであろうハイアマチュアといわれる人々がどう動くのか、いまだにつかみきれていないのではないか。最近の特集の組み方の混乱具合を見ると、そう思わざるを得ない。各誌ともデジタルカメラ専門誌も併売しているので、あえてデジタル抜きにするという手もあるはずなのだが。やっぱ皆さん両刀使いなのですか?
ハイアマ、どうなのだろう。私はたいした写真も撮っていない下手の横好きアマだが、フィルム派だ。アンチデジタルなわけではないが、フィルムの描写が好きで今もメインに使っている。
だが各メーカーとも、コンシューマを無視しては未来がないので、ハイアマチュアは既に完全に無視されている(中古ばかりありがたがる彼らは意外と業界にお金を落とさない事情もある)。したがってフィルム使いのハイアマには未来はない。今までと同様、プロと同じ機材を使うのならデジタルへ行きなさい、といわれているのだ。
裾野の広い一般大衆に数を売って利益を出すためには、ツウが目を凝らしてみないと判らないようなフィルムの粒状度だのレンズの味だのは関係ない。押せば写る。持ち運びが便利で操作が簡単で派手な色が出て、怒られない程度に適度に壊れる。そういうカメラが必要だ。
赤字になると株主はうるさい。したがってよい(したがって高い)フィルムは次々とディスコンになり、プロセスは簡略化され、プリントは低質化し、新たなユーザはそれを見て、「フィルムなんてたいしたことないジャン」と思うのだ。
うう。自虐的。
それでもフィルムが好きで、中古で機械式のカメラを得々として使う人々がいる。だからこそ今でも定期的に特集で古いカメラを取り上げるのだろうか。そう思い込みたいところだなぁ。
アサカメで取り上げられると中古相場が上がる、との話があるので、中古カメラ業界との癒着の構図もあるのかもしれませんが。
F3、一生使えるとおもっていたのだがなぁ。
カメラより先にフィルムがなくなるとは思わなかった。