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2008年05月21日

今日泊亜蘭氏死去

訃報です。日本SF界の重鎮、あの「光の塔」の今日泊亜蘭氏が亡くなったそうです。

訃報:今日泊亜蘭さん97歳=作家 - 毎日jp(毎日新聞)

訃報:今日泊亜蘭さん97歳=作家

 今日泊亜蘭さん97歳(きょうどまり・あらん<本名・水島行衛=みずしま・ゆきえ>作家)12日、肺がんのため死去。葬儀は近親者で済ませた。

 東京出身。アテネフランセなどで外国語を学び、通訳などを務めた。戦後、SFの創作を始め、1962年に代表作「光の塔」を出版。日本のSF作家として成功した先駆けとなった。

毎日新聞 2008年5月20日 10時46分(最終更新 5月20日 11時08分)

今日泊亜蘭/光の塔 あの「光の塔 」の今日泊亜蘭氏が亡くなられたそうです。
 
 昨年A.C.クラークが亡くなった時にも
「でも僕らには今日泊亜蘭がいる」
と言ったのはとり・みき氏でした。そうか、あの今日泊亜蘭氏も逝かれたのか。

 私が物心ついたころから重鎮でいらしたわけですが、「ドラキュラ俳優のベラ・ルゴシに似ている」との野田大元帥の談話から、なんとなく死なない方のような気がしていました。

 「光の塔」は一時刷り増しをした記憶はあるのですが、今はまた絶版になっているようです。早川はなんであんな名作を品切れにしておくかな。福島正実氏とは折り合いが悪かったらしいが(どうやら福島氏側がよくなかったらしい)、まさかそれが原因ってことは、ね?どうなんでしょう。

 それにしても「光の塔」です。スピーディな展開。かっこいいアクション(天ン邪鬼の竜こと黎竜四郎が本当にかっこよい!)。広がる伏線が見事に収束する構成。どこをとっても国産SFの代表となりうる一作だと思います。これが1962年初版だから驚きます。国産SFとして最初にして既に完成品。

 なにしろあの素晴らしい未来の江戸弁に驚くべきです。あれこそが真の「口語体」というもの。また地の文の平易さ、読みやすさも素晴らしいです。本当によい日本語です。未読の方は古書を探してでも、ぜひ一読を。

 願わくば下らない「OVA版」なんかになりませんように。

 続編の「我が月は緑」を狂喜して読んだのも、既に15、6年前。そうか、そんなに経つのか。

 97歳というお年を聞くと、長生きされたようにも思えますが、まだまだ元気に書いて頂きたかった。本当に残念です。

 合掌。

 

posted by delta16v at 07:45 | Comment(5) | TrackBack(1) | 本・雑誌
この記事へのコメント
デルタさん、初めまして。TBありがとうございます。

とり・みき氏の言葉、印象的ですね。ある意味、古き良きSF時代ということなのかも知れません。ハードだ、リアルだと言っているうちに、何か大事なものが忘れられてしまったような気もします。

いずれにしても、私自身、昔はSFファンを自認していましたが、最近はすっかり縁遠くなってしまいました。

でも、今日の早川さんはおもしろそうですね。ブログは早速チェックしてみます。マンガも探してみよう〜っと。(^^;)

Posted by GAKU at 2008年05月26日 19:20
コメントありがとうございます。

>GAKUさん
SFの黎明期から支えた方々が次々に亡くなられていますね。ハインライン、クラーク、そして今日泊亜蘭。
時代がひとめぐりしたのでしょうか。

「光の塔」いま読み返し中ですが、ろに四型手発誘導弾のかわし方とか、竜四郎のチバ87の早撃ちとか、やはりしびれますねぇ。

「おれ、黎竜四郎てんだ。一名『天ン邪鬼の竜』とも云んさ。チィッと訳あってナ、あんたに差向で会いたかったんが、妙な騒ぎおッ始まってサ---マアそれもこうなっちゃ此方に都合いいけどヨ」
「マア何でもいいさ。とにかくパト、気の毒だけど、命、貰うぜ---」
竜四郎、かわかっこいいです。

こうやって読んでいると、銀コジあたりの野田昌宏氏がどれだけ影響を受けているか、よくわかります。

私も昔はSFファンとしての「濃さ」を誇りにしていましたが、最近はとんと腰抜けになってしまいました。ネット時代になって、自分なんかよりも比べ物にならないほど「濃い」奴がごろごろいるとわかってしまったので、なるべくおたくな領域には口を出さないようになってきてしまったようです(笑)。このテーマは結構突っ込みがいのあるネタですね。

そういうことで(?)、「今日の早川さん」はとても楽しく読める「共感」まんがです。「あるある!」と叫びながら読んでしまいます。
Posted by delta16v at 2008年05月27日 07:54
delta16vさん、初めまして。

トラックバックはあまりないので少々戸惑ってますが。

今日泊亜蘭にかぎらず、自分のまわりにSFファンは殆ど居ないので、SFの話題は自分のブログに書くだけです。
『光の塔』は、SF作家で仲の良かった光瀬龍もモデルとして登場しているそうです(直ぐ分ると思いますが)。野田昌宏もだったかな?

最近はSFの話題は訃報が多いですね。SFマガジンも追悼特集ばかり買っている気がします。
Posted by ロウホトA at 2008年05月27日 22:25
コメントありがとうございます。

>ロウホトAさん
実はヘッダにいる宇宙飛行士が好きで、拝読させて頂いています。

ロウホトAさんがブログに書かれていました『海王星市(ポセイドニア)から来た男』『アンドロボット'99』『氷河0年』『怪獣大陸』、どれもずっと私の探求本リストに入っています。なかなか見つからなくて...いつ読めるのやら。

光瀬氏もずいぶん前に亡くなられましたが、天国でいろいろと盛り上がっておられるのでしょうか。せめて野田昌宏氏には当分お元気でいてもらいたいものです。
Posted by delta16v at 2008年05月28日 07:36
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