一般人が大勢乗った宇宙ステーションが事故で爆発し、中に取り残されたひとびとのサバイバルが始まるわけですが...
うーん、小川一水ぽくない(笑)。どっちかというと谷甲州じゃないですか。ちょっとプラテネスふうでもありますね。ひとがひとと否応なく関わらざるえず、またその関わり方にさまざまな問題を抱える点が現代的であるのかな。
これでもかというほど、裏の裏、奥の奥があるわけですが、伏線の種明かしがちょっと唐突過ぎるかもしれません。
奥付けで、「初めてのジャンルだったので大変だった」というような著者の感想がありますが、こっち方面もがんばってくれると面白いかもなーと無責任な読者は思ったりしました(笑)。
序盤、エンジンを始動する上で、AIに概要の目的のみを指示し、細かいパラメータや操作はすべてAIの立案に任せる自動モードで浮上を行うあたりはコンピュータ屋としては読みどころでした。
AI、かわいいよAI。
小川一水は私の中ではランクが高いので、本作を単品で見た時の評価は低めにしときます(笑)。